武蔵関の桜、2025年春以降に一部伐採予定──高架化前に変わる景色

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春の武蔵関駅周辺では、毎年、線路沿いに咲く桜が訪れる人の目を楽しませてくれます。
その横を西武新宿線の電車が通過する風景は、地域に暮らす人々や鉄道ファンにとっても、春の風物詩として親しまれてきました。

しかし、2025年春、この風景に変化の兆しが見え始めました。
駅周辺の桜の一部が「伐採予定」として告知されたのです。
また、2038年には高架化事業の完了も予定されており、武蔵関駅付近の沿線風景は今後大きく変わる可能性があります。


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SSK
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こんにちは。
西武専門の鉄道マニアです。
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武蔵関の桜について

武蔵関の桜と黄色い西武線2000系 2008.3.28

武蔵関駅は、東京都練馬区に位置し、駅からすぐの石神井川沿いが桜の名所として知られています。​

また近接する武蔵関公園までの間に、美しい桜並木が広がり、開花の時期には多くの人で賑わいます。

西武新宿線の車窓からも満開の桜を楽しむことができ、電車からの景色も見どころの一つです。

しかし、2025年現在、これらの桜の一部に「更新工事のお知らせ」が掲示されました。

内容は、老朽化が進んだため、安全性を考慮し伐採・植え替えを行うというものです。

お知らせにある「この春に咲く最後の花を見届けていただければと思います。」という一文からは、区の担当者の方の想いが静かに伝わってくるように思いました。

桜の植え替えは石神井川沿いの15本を予定しており、この内、武蔵関駅付近の植え替えは3本。

ソメイヨシノは寿命が短く、樹齢50〜60年を超えると倒木や枝折れの危険が高まります。

人通りの多い生活道路や線路に隣接していることから、安全性を重視した判断を行ったと考えられます。

長者橋から武蔵関駅までは現在2本の桜が植えられていますが、2025年度内に1本が植え替えられます。

橋から西側についても2本の植え替えが予定されているようです。

なお、以前にも、この場所は桜の植え替えが行われております。

2025年の武蔵関の桜と西武線

ドラえもんラッピングを解除して久しい30000系38101F 2025.4.4

2025年の春も、武蔵関の桜は美しく咲いていました。

満開の花びらが風に舞い、電車がその傍らを通り過ぎていく光景は、いつもと変わらぬ春の一幕です。

川越鉄道130周年ヘッドマークを取り付けた新2000系2079F 2025.4.4

先にお知らせした通り、この風景は、おそらくこれが最後になるかもしれません。

すべての桜がなくなるわけではないものの、少しずつ数を減らしている現状を思うと、「これが最後」という言葉も決して大げさではないように感じています。

数年ごとに、同じ場所で同じような写真を撮ってきましたが、見返してみると、ほんの少しずつ、確かに変化があったことに気づかされます。

桜の枝ぶり。黄色くない西武線。なかなか晴れない4月上旬。ぽっかりと隙間が空いた桜並木。春が来るたびに、この景色は静かに姿を変えていたのだと思います。

何度も足を運んだ春の武蔵関。定点記録のように撮り続けてきたのは、変わらないようでいて、変わっていくものを無意識に残しておきたかったからかもしれません。

残り2連2本となった2000系の内2419Fが桜を横目に通過 2419F-2073F 2025.4.4

武蔵関駅付近は、2038年の工事完了を目指して高架化事業が進められています。

高架化によって、電車は地上を走らなくなり、桜と同じ目線で電車を眺めることは難しくなることでしょう。
また、高架工事にともなって沿線の風景も大きく変わっていくことになります。

つまり、「桜と電車が並ぶ風景」は、高架化によって遠くない将来、見られなくなる可能性が高いということです。

桜の伐採・植え替えにより見られなくなるのが先になりそうな気もしますが、そう遠くないうちにこの風景も見納めになることは確定しています。

武蔵関付近の西武線は2038年までに高架化予定

引用:https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kensetsu/2024-11-22-091429-615

武蔵関駅を含む西武新宿線の井荻駅〜西武柳沢駅間(5.1km)では、高架化事業が進められています。

この事業は、都心部から郊外へと伸びる交通の円滑化を目的としており、踏切の廃止や渋滞解消を目指すために行われています。

2021年11月26日に都市計画決定は行われており、東京都や西東京市、練馬区などが連携して準備が進められています。

住民向けの説明会も行われており、2025年現在は用地取得に向けた動きが進んでいるようです。

この高架化事業の工事完了は2038年の予定となっており、武蔵関駅周辺も対象地域に含まれています。

西武新宿線(井荻駅~西武柳沢駅間)連続立体交差事業|事業箇所|東京都建設局
東京都建設局の西武新宿線(井荻駅~西武柳沢駅間)(事業箇所)のページです。

まとめ:武蔵関の桜は今後も減り続ける可能性大、西武線との共演はお早めに

武蔵関の桜と黄色い西武線 2014.4.1

私自身、幼いころに武蔵関で暮らしていたことがあり、この場所の桜と西武線が織りなす風景は、今でも記憶の中に深く刻まれています。鉄道ファンとなった原風景と言っても、決して大げさではありません。

西武新宿線車内から見る武蔵関の桜 2004.3.28

春になると、満開の桜の下を電車が走り抜けるあの光景は、子どもながらにとても印象的であったことを覚えています。

年月が経ち、街が変わっていくことは避けられません。それでも、あの風景が失われてしまうかもしれないと知ったとき、心のどこかがぽっかりと空いたような気がしました。

春らしい一幕 2004.3.28

2025年の春、武蔵関駅の線路沿いに咲いた桜は、たしかに存在していました。今年も、変わらず美しい姿を見せてくれていました。

しかしながら、少しずつ、そして確実に、景色は変わりはじめています。

デビュー間もない頃の40000系電車と武蔵関の桜 2018.3.25

もし武蔵関を通る機会があれば、桜が咲く風景を眺めてみてください。

思いがけない風景は、ずっとそこにあるように感じられても、静かに、少しずつ姿を変えていきます。

この風景に、もう一度出会える今のうちに。記録に、そして記憶に残していただけたらと思います。

春の武蔵関を楽しんでくれる方が、一人でも多くいてくれたら、そして変わる街の未来に希望を持てたら、それはとても嬉しいことです。

武蔵関の桜と低運101系 2004.3.28
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