2024年に5月20日に西武線へ甲種輸送された小田急8261Fは、西武線に残る旧来の車両を置き換えるサステナ車両です。
サステナ車両の運行開始までは、「整備・改修」(2024年度設備投資計画より)が必要とのことで、動向が注目されています。
そこで、これまでの西武線の車両改造にどのくらい期間を要したのかを振り返り、サステナ車両の改造期間と、運行開始時期を予想します。
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2024年5月現在・サステナ車両と小田急8261Fの概況
西武鉄道では、2024年度以降2029年度にかけてサステナ車両を導入します。
サステナ車両は、VVVFインバータ制御車両であり、他社から譲渡された車両のことを指し、西武鉄道独自の呼称として定義されています。
導入する車両は、東急9000系と小田急8000形であり、合計約100両が譲渡される予定です。
導入線区は、東急9000系が「多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線」、小田急8000形が「国分寺線」となっています。
サステナ車両小田急8261Fの西武線での運行開始はいつになるか
小田急8261Fは、2024年5月20日に西武線小手指車両基地に到着しました。
しかし、新造車両と同様に「すぐに運行開始」することはないでしょう。
電車が運行開始するまでには、車両自体の機器整備はもちろんのこと、電車が安全に運行するための保安装置の設置や、信号・踏切の動作確認、乗務員さんのハンドル訓練など、クリアするべき項目が多岐にわたります。
西武鉄道の設備投資計画を見ても、2024年度のサステナ車両については「運行開始を目指します」という、やや消極的な表現にとどまっています。
2024.6.30終電後に武蔵丘車両検修場へ回送
西武線へ到着後、小手指車両基地内での移動にとどまっていた8261Fでしたが、2024.6.30終電後に自走で武蔵丘へ回送されました。
本格的な改修工事が始まるものと見られます。
過去の西武線の車両改造期間を振り返る
それでは、改造期間は一体どの程度かかるのでしょうか。
過去の、おおまかな車両改造期間を振り返り、参考にしてみます。
改造内容は、それぞれ異なりますが、おおよその目安ということでご覧ください。
西武新101系4両(229F)→秩父鉄道6000系3両(6001F):3か月
西武新101系229Fは2005年9月に西武鉄道から秩父鉄道へ譲渡されました。
秩父鉄道6001Fとしての竣工は2005年12月、運行開始は2006年3月でした。
西武9000系10両抵抗制御→VVVF制御(9101F):3か月
西武9000系9101Fは、2005年7月にVVVF化改造のため、東急車輛に入場しました。
VVVF化を終えて、西武線へ戻ってきたのは3か月後の2005年10月でした。
西武9000系10両→4両ワンマン化(9108F):9か月
西武9000系9108Fは、多摩湖線ワンマン対応改造のため、2019年10月に武蔵丘車両検修場に入場しました。
ワンマン化を終えて、武蔵丘を出場したのは9か月後の2020年7月でした。
(9108F以降のワンマン化改造は、おおむね3か月ほどの工期となりました。)
試運転・ハンドル訓練を経て、運行を開始したのは2020年10月でした。
西武6000系10両→副都心線対応化(6109F):3か月
西武6000系6109Fは、副都心線対応改造のため、2009年2月に玉川上水車両基地へ回送されました。
対応化を終えて、玉川上水車両基地から回送されたのは3か月後の2009年5月でした。
改造期間のまとめ
編成両数にかかわらず、おおむね3か月前後であることが多い
8261Fの整備・改修期間の予想まとめ:4~6カ月程度か
小田急8261Fの整備・改修期間について、過去の実績から以下のことが分かりました。
- 小田急8261Fは、すぐに西武線上を営業運行する可能性は低い
(2024年度の営業運行開始を”目指す”との記述から) - 過去の車両改造にかかった期間は、最低でも3カ月程度
- 誘導障害、ハンドル訓練期間を含めるとプラス1~2カ月程度がかかる見込み
→このことから、おおむね4~6カ月程度は、整備・改修の期間に充てられるのではないかと予想。
今後の動きとしては、以下の流れが考えられます。
- 小手指から武蔵丘までの回送(2024.6.30終電後)
- 武蔵丘で改修
- 武蔵丘から出場
- 玉川上水車両基地へ回送
- 国分寺線などで試運転
- 営業開始
引き続き、その動向には注目してまいりたいと思います。