西武の牽引車263F こうして生まれ変わりました 前編

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2008年3月、E31形電気機関車に代わる新たな牽引用車両として、新101系を改造した263Fが登場しました。

それまでの牽引専用の機関車から変わって、通勤電車と兼用となる263Fの登場は大きな話題となりました。

早いものでデビューから10年以上が経過した263F、当時の記憶も遠くなりつつある昨今、今一度263Fの動静を振り返ってみます。

  • 2つの編成をどのように組み替えたのか
  • 牽引車としてのデビューまでどのような道のりがあったのか

このような疑問を解決するような内容といたしました。
※当時はまだ鉄道ファンでは無かった方にも、時系列で無理なく追えるような記事構成としております。

西武の牽引車263F こうして生まれ変わりました 前編
西武の牽引車263F こうして生まれ変わりました 中編
西武の牽引車263F こうして生まれ変わりました 後編


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西武鉄道新101系 牽引電車263Fの概要

西武園線で運用に就いた263F

#263F は、2007年度にE31形電気機関車の置き換えを目的に登場しました。

普通鋼製の黄色い車体に3扉車という、昭和から平成にかけての西武電車の姿を引き継ぎます。

そして、この263Fは既存の新101系電車2編成( #255F#279F )の組み換えで組成されたことが特徴。

組み換えに伴い4両の全てが電動車という力強い編成となり、新101系列では263Fのみに見られる前パン(先頭車クモハにパンタグラフを搭載)の出で立ちは、象徴的なものとなりました。

通常運行:密連の263F
甲種仕様:自連の263F

甲種輸送時に見られる自動連結器と前パンが組み合わさる装いは、さながら機関車のような勇ましい姿となります。

2021年現在の263Fは、西武鉄道における唯一の牽引電車として甲種輸送の先頭を務めますが、甲種輸送の設定が無い日は主に狭山線(西所沢~西武球場前)の営業運行に就いています。

【西所沢】新101系263F 西武狭山線にて営業運行開始【西武球場前】 - Rail Log(西武線撮影ブログ)

2021年2月1日、新101系263Fが、西武狭山線で営業運行を行いました。多摩湖線に4連化された9000系が投入される中、余剰となる多摩湖線新101系を狭山線に転配したような印象です。狭山線運用初日の263Fの姿の中から、西武球場前へ着発する様子を紹介します。



※登場当初の2008年4月~2021年1月までは多摩湖線で主に営業運行を行いました。2021年2月からは狭山線で主に営業運行を行う様子が見られます。
(→狭山線転配は、国分寺駅ホームドア設置による多摩湖線3ドア(新101系ワンマン車)撤退のため)

多摩湖線の3ドア関連記事はこちら↓

ありがとう101系 多摩湖線ラストランWeek 【2021/2/18~22】 - Rail Log(西武線撮影ブログ)

2021年2月18日から、西武多摩湖線において「ありがとう101系 多摩湖線ラストランWeek」が実施されています。ラストランWeek2日目の2021年2月19日、お昼ごろの赤電101系259Fの様子を紹介します。

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2021年2月18日から実施されている「ありがとう101系 多摩湖線ラストランWeek」について、最終運行日前夜となる2月21日の様子を紹介します。このイベントでは、2月7日をもって多摩湖線での定期運行を終了した新101系電車が、期間限定で復活運行を行いました。

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2007/11/13 新宿線255F回送 南入曽→武蔵丘

西武鉄道 新101系 255F 1255編成
2007/11/13 #255F 武蔵丘入場

263F組成に向けた動きとして、まずは新宿線に所属していた255Fが南入曽から武蔵丘へ向けて回送されています。

255Fは新宿線に所属する、本線用の新101系電車4両です。

263Fは、255Fの中間モハ2両と279Fの2両編成を組みかえて、車両番号を変更した上で組成されています。


2007/11/13 北飯能信号場を通過する255Fの回送電車

263Fが絡む車両の動きでは、この255Fの回送が初の動きであったと記憶しています。

※当時、E31形電気機関車は現役ながらも、その後についての話を小耳にはさむ機会が増えていた頃合いでした。

255Fと279F、及び263Fの組成と車両番号の移ろいは下に記した通りとなります。


  • 255F(クハ1255-モハ255-モハ256-クハ1256:4両編成)

    [1255]-[255]-[256]-[1256]

    [1255] [255]-[256] [1256] (クハ1255とクハ1256を廃車)

    [1255] [265]-[264] [1256] (モハ255とモハ256を改番)

  • 279F(クモハ279-クモハ280:2両編成)

    [279]-[280]

    [263]-[266]

  • 263F
    [263]-[264]-[265]-[266]
    ↓旧車番
    [279]-[256]-[255]-[280]

  • ※1255号車と1256号車は廃車
    ※255号車と256号車の位置関係が263F組成時に反転しているのに注意
255Fに関連した車両番号は見納めとなった

2007/11/15 255Fクハ廃車回送(ブツ6) 武蔵丘→横瀬

2007/11/15 下り方先頭から 279F-1256-1255-281Fの順

武蔵丘まで回送された255Fは、中間モハ2両を263Fに供することとなりますが、両端のクハ(1255号車と1256号車)については余剰となるため廃車回送が運転されています。

この廃車回送も近年ではなかなか見られない組成の方法で、新101系で両端を挟み込むブツ6編成となりました。

※似たような回送の方法として、9106FV化出場時の武蔵丘→小手指(101系2連+9000系5両+101系2連)といったものもありました。

横瀬の入換の先頭は #281F

横瀬までの回送の先頭を務めた279Fは263Fのクモハ263とクモハ266となる車両です。

横瀬までの廃車回送後は、武蔵丘に返却されてそのまま入場しています。

車庫3番ピット内に1255-1256,手前が279F、右が281F

2007/11/15 クハ廃車回送の返却と279F入場回送 横瀬→武蔵丘

281Fを先頭に、後ろに279Fが続く返却回送

~ここまでのまとめ~

◆南入曽の255F(4連)を武蔵丘へ回送し、両端クハ2両を横瀬へ廃車回送→中間モハ2両は武蔵丘で263Fへ改造

◆255Fの両端クハの廃車回送は279Fと281Fのプッシュプル、279Fは返却回送と同時に武蔵丘へ入場

という流れ。

そして、この一連の回送運転から約4カ月後の2008年3月26日に、263Fは武蔵丘車両検修場を出場しています。

次回の記事では、出場の様子や、それ以降の牽引試験の動きを紹介したいと思います。

西武の牽引車263F こうして生まれ変わりました 中編 - Rail Log(西武線撮影ブログ)

2008年3月、E31形電気機関車に代わる新たな牽引用車両として、263Fが登場しました。中編となるこちらの記事では、武蔵丘出場時の模様や、E31形との連結、深夜の20000系牽引試運転など、牽引車としてデビューする前の263Fの姿を紹介します。


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