所沢駅1番線に引き続き、2番線にもホームドアが設置されました。
電車からホームドアが降りてくる非日常な姿や
ホーム表面を剥離する光景を記録してまいりましたので、紹介いたします。
また、西武線におけるホームドアの概況についても冒頭で詳説します。
西武線のホームドアについての概況
全国的には、乗降人員10万人以上の駅がホームドア設置対象
2016年12月に国土交通省から発表された指標が基準となっています。
”1日の乗降人員が10万人以上の駅”については、
2020年度までにホームドアを設置するよう、国土交通省は事業者に求めています。
西武線でのホームドア整備計画
国土交通省の発表を受けて、西武鉄道は2017年2月に
ホームドアに関する整備計画を発表しています。
西武鉄道の主要な6駅にホームドアを整備します[公式PDF]
2020年度までに、池袋、練馬、西武新宿、高田馬場、所沢、国分寺
6つの各駅にホームドアを整備するというものでした。
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2020年10月現在の設置状況
設置完了 : 池袋、練馬、西武新宿
一部設置 : 高田馬場(3番)、所沢(1番・2番)
設置未了 : 国分寺
所沢駅について
所沢駅は3面5線のホームを擁する西武池袋線と新宿線の交差するターミナル駅です。
所沢駅の東口駅前には、西武鉄道の本社ビルがあり
直近では「グランエミオ所沢」の開業や、駅前車両工場跡地の再開発などで、
ますます注目を集める駅となっています。
所沢駅の乗降人員数は、1日あたり102,368人(2019年度)
ホームドアについては”1日の乗降人員が10万人以上の駅”へ整備することを
国土交通省は事業者に求めています。
乗降人員が10万人以上の実績がある所沢駅は、この条件に合致しています。
その為、ついに2020年10月より、ホームドア設置工事が始まることとなりました。
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2019年度の所沢駅の1日あたりの乗降人員は102,368人と、
西武線内では第7位の乗降人員数を数えています。
所沢駅のホームドア整備状況(2020年10月30日現在)
2020年10月30日現在の、所沢駅のホームドア稼働状況を下に記します。
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1番線 新宿線下り 設置済み 稼働開始(2020/10/30~)
2番線 新宿線上り 設置済み
3番線 池袋線上り 未設置
4番線 池袋線下り 未設置
5番線 池袋線下り 未設置
1番ホームについては、2020年10月30日より使用を開始しています。
所沢駅1番ホームにおいてホームドアの使用を開始します[公式PDF]
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今回紹介する2番線のホームドアは
2020年10月30日現在、筐体のみの設置となっています。
※正式な使用開始は、2020年12月頃の模様です。
西武鉄道におけるホームドアの設置・輸送の手順について
ホームドア筐体を西武球場前駅において回送電車内に積み込み、
ホームドア設置駅まで臨時の回送電車を運転して輸送します。
その手順は以下の通りとなります。
ホームドア設置当日の大まかな流れ
臨時回送電車を西武球場前駅まで運転
設置される駅の都合にもよりますが
いずれの場合も、西武球場前駅においてホームドアを積み込みのため
回送電車が運転されます。
日中に回送されることが多いようです。
ホームドア筐体を、回送電車に積み込む
回送電車到着後は、設置予定のホームドアを電車内に積み込みます。
ホームドアを積み込んだ電車は終電間際まで、西武球場前駅で待機
車内への積み込み作業は日中のうちに終了しますが、
ホームドアの設置作業は当該ホームの終電発車後に行われるため
回送電車は、暫くの間は西武球場前駅にて待機することとなります。
西武球場前駅を出発した電車は、ホームドア設置駅まで回送
ホームドアを積み込んだ回送電車が動き出すのは、概ね日付を跨ぐ頃となります。
設置する駅・ホームの条件は多岐に渡るので、それに応じた回送ダイヤが組まれます。
ホームドア設置駅で荷下ろし作業を行う
ホームドア設置駅では、所定停車位置に停車後、すぐに作業が開始されます。
終電から始発までの数時間で、手際よく作業は進められていきます。
臨時電車は車両基地へ回送されて入庫する
荷下ろし作業を終えた回送電車は、車両基地へ回送されて入庫となります、
ホームドアの本格稼働は即日ではなく、暫く期間を設けてから
多くの調整が必要なためと思われますが、設置してから即日で運用開始とはなりません。
その為、ホームドアを設置してからの僅かな期間は、
ホームドアが稼働していない中で電車が着発する姿を見ることが出来ます。
国分寺駅へのホームドア輸送について
これまで設置予定だった駅は全て10両編成対応の駅となっており
運転される回送電車は、どれも10両編成でしたが
国分寺駅については、多摩湖線が4両、国分寺線が6両の有効長となっています。
国分寺駅へのホームドア輸送については、充当する車種と編成や
前後の回送電車についても注目されるところでしょう。
2020/10/24終電後 所沢駅2番線ホームドア設置工事の様子
それでは所沢駅2番線にホームドアが設置される当日の様子を
写真を交えつつ紹介します。
ホームドア輸送列車は新宿線の20000系20105F
所沢2番線に到着するのは
ホームドアを車内に積み込んだ20000系20105Fです。
この電車の到着直前には、
休日ダイヤで1本のみ設定される各停所沢行きが着発していました。
ホームの剥離作業の様子
休日ダイヤにおいては、新宿線上りの終電車の到着と、回送電車の出発、
および池袋線上り電車の終電車出発をもって、所沢駅2番線と3番線は一般旅客の立ち入りが制限されます。
ホーム封鎖から作業開始までは、非常に迅速なものでした、
電車内から運び出されるホームドア
今回の所沢2番線へのホームドア輸送電車に抜擢されたのは
三代目L-trainとして活躍する新宿線の20000系20105Fでした。
その為、運び出されるホームドアの写真や景観の撮影時にも
どことなく、賑やかな印象が漂います、
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電車内には破損や汚損を防止するため
しっかりと養生がされている様子も見て取れました。
所沢2番線に設置されるホームドア
ホームドア設置までは、筐体の重みに耐えうる為の補強や
ホーム表面への加工、構造物の設置、及び、電気的な配線等、多岐に渡るものと思われます。
剥離されたホーム表層には、ホームドア筐体の固定用と思しき穴が見えました。
このような加工も、一晩にして出来るものではなく
ホームドア設置への道のりは、幾重もの工程が複雑に絡み合っていることが想像できます。
所沢2番線の電車停止位置は、ホームドア設置に伴い変更
所沢駅2番線ではホームドア設置に伴い、電車の停止位置が変更されています。
開口部の都合などもあるのでしょうが、詳細な点は把握しきれていません。
所沢駅のホームドアの今後
引き続き、全ホーム設置へ向けた作業が続けられそうです。
2番線・3番線については、2020年12月の使用開始となっており
4番線・5番線についても、2021年3月頃までには使用が開始されるようです。
今回ご紹介の通り、2番線にはホームドアが設置されましたが
3番線には、まだホームドアは設置されていないので
次にホームドアが設置されるのは、所沢駅3番線とみて間違いないでしょう。
以下の記事では、1番線に設置されたホームドアと
ホームドア未設置の2番線の光景を紹介しています。
合わせてご覧ください。
所沢駅2番線ホームドア設置工事のまとめ
- 2020年10月24日の終電後、所沢駅2番線にホームドアが設置された
- ホームドアを輸送した電車は西武新宿線の20000系20105F(三代目L-train)だった
- 所沢駅では1番線に引き続き、2番目の設置となった
- 所沢駅2番線のホームドアは、2020年12月頃の使用開始を予定している
- 残る3番線から5番線についても、2020年度中にホームドアを設置して使用開始する予定となっている