西武鉄道では2021年10月1日から2022年3月31日まで、「本川越駅管区各駅めぐり」という、駅お手製の企画を実施しています。
この企画は、西武新宿線の 新所沢・狭山市・本川越 の3駅で無料配布される「途中下車印・入鋏印記念収集券」に、入鋏印や途中下車印などを、対象となる各駅で押印してもらえるイベントです。
※押印は駅員さんが行います
押印対象となるのは、西武新宿線航空公園~本川越駅間の各駅となっており、押印の際には、入鋏印では改札の入場、途中下車印では改札の出場を求められます。
-
入鋏印(にゅうきょういん)とは?
「入鋏済」の文字が入る朱色の印影が特徴であり、この駅から入場した、ということを証明するスタンプのことです。
厳密な扱いとしては「入場した」が正しいものと思われますが、そもそも入鋏印の使用頻度が低い西武鉄道では「改札を通過した」の意味合いで使用されることも珍しくないようです。
※この扱いに白黒つけるのは野暮なものですので、その曖昧さを解釈することを楽しみたいものです。 -
途中下車印とは
楕円の中に駅名のみが記され、この駅で下車した、ということを証明するスタンプのことです。
なお、西武線各駅間の列車移動には有効な乗車券類が必要です、配布される記念券には乗車券としての効力はありません。
また、航空公園→本川越の280円(IC:272円)の運賃で各駅で押印してもらうということはできませんので注意してください。
押印には改札の入場、もしくは出場が必要です。このため、全駅の押印を一度に集めるとなると、各駅ごとに打ち切った運賃が必要になります。
(お得に回る方法として、今回のように期間限定で発売される「フリーきっぷ」を使う手もあります。)
- 新たなスタンプラリー!?西武鉄道の”本川越駅管区各駅めぐり”とは
- 出発駅に選んだのは本川越駅、 ”本川越駅管区各駅めぐり” の開始
- 2駅目:南大塚駅での入鋏 (本川越14:47→南大塚14:50) "本川越駅管区各駅めぐり"
- 3駅目:新狭山駅での入鋏 (南大塚15:00→新狭山15:03) "本川越駅管区各駅めぐり"
- 4駅目:狭山市駅での入鋏 (新狭山15:14→狭山市15:16) "本川越駅管区各駅めぐり"
- 5駅目:入曽駅での入鋏 (狭山市15:35→入曽15:38) "本川越駅管区各駅めぐり"
- 6駅目:新所沢駅での入鋏 (入曽15:50→新所沢15:54) "本川越駅管区各駅めぐり"
- 7駅目:航空公園駅での入鋏 (新所沢16:04→航空公園16:06) "本川越駅管区各駅めぐり"
- 入鋏はコンプリート、しかし途中下車印は…?
- まとめ:"本川越駅管区各駅めぐり"で、ふらりタイムトリップ
新たなスタンプラリー!?西武鉄道の”本川越駅管区各駅めぐり”とは
2021年10月1日に、Twitterの西武鉄道イベント情報さん(@seibu_event)より、「 本川越駅管区各駅めぐり 」の企画が発表されました。
新所沢・狭山市・本川越の3駅で無料配布される紙のきっぷを模した記念券。
こちらに本川越駅管区(航空公園~本川越間の7駅)の駅員さんが、各駅窓口で入鋏をしてくれる体験型の企画というものでした。
ペーパーレスが叫ばれるこのご時世ですが、あえて時代を巻き戻すような面白い企画ではないでしょうか?
(そういえば、西武園ゆうえんちも「昭和の熱気!」というコンセプトでした}
また、通常の西武鉄道各駅において、入鋏を行う場面はおそらく非常に限定的なものであり、途中下車印を扱うパターンというのもなかなか想像が出来なかった点も興味が湧きました。
※無理に1日で回りきらず、複数の日付にまたがって入鋏してもらうことも可能です。
西武鉄道旅客営業規則 第156条には途中下車について記載
西武鉄道の旅客営業規則には、156条に途中下車の記載があります。
これによると、以下の通り、西武線において途中下車は認められない旨の記載がありました。
>第 156 条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券(定期乗車券を除く)によって途中下車することができない。
(https://www.seiburailway.jp/20210313_ryokakueigyoukisoku.pdfより引用)
しかしながら、規則には”例外の例外の例外”くらいまでが通例であるものとお察しいたします。
何かの折には、西武線各駅においても「途中下車印」を扱う機会があるのかもしれません。
出発駅に選んだのは本川越駅、 ”本川越駅管区各駅めぐり” の開始
スタート駅となるのは、新所沢・狭山市・本川越の3駅となります。
この3駅で「乗車券型途中下車印・入鋏収集記念券」の配布を行っています。
有人改札で「途中下車印のスタンプラリーをしたいのですが」と申し出たところ、駅員さんに理解してもらうことが出来ました。
そして、本川越の入場と同時に押印してもらった記念券がこちら↓
あとから気付くのですが、あくまでも本川越駅には入場しただけなので、この時点では入鋏印のみ押印がしてあります。
下車印は出場時に押印する決まりなので、正当な取り扱いとなります。
この各駅巡りのルールとして大事なことは、「入場→入鋏印」「出場→途中下車印」というルールがあることです。
無条件に両方を押印してもらえるわけではないので、その点をあらかじめ承知したうえで開始すると効率が良さそうです。
- 入場では入鋏印を押印してもらえる
- 出場では途中下車印を押印してもらえる
今回、「埼玉県民の日フリーきっぷ」で各駅巡りをしていたので気付くのが遅かったのですが、各駅では有効な乗車券類を使用して入場と出場を行うことが押印の条件となります。
2駅目:南大塚駅での入鋏 (本川越14:47→南大塚14:50) "本川越駅管区各駅めぐり"
南大塚駅は橋上駅舎を構え、自動改札機の横に兼掌窓口を備える駅です。
改札口においてフリーきっぷと記念券を提示すると、丁重にご対応いただきました。
3駅目:新狭山駅での入鋏 (南大塚15:00→新狭山15:03) "本川越駅管区各駅めぐり"
3つめの駅、新狭山駅に到着しました。
こちらも南大塚駅と同様に橋上駅舎を構える駅ですが、入場と出場を行う自動改札機付近に窓口は見当たりません。
そのため、押印を依頼する場合は改札を出た先の出札窓口に立ち寄る必要があります。
改札から離れた場所であることと、前述した「入場と出場」のルールがあるので、出場しつつ入場する自分の現状を上手に伝えることが求められますが、駅員氏の対応はスムースでした。
◇
なお、南大塚駅に引き続き、新狭山駅でも
「途中下車印はどこに押しますか?」
という押印場所について駅員さんからの逆質問?があったのですが、全く考えてもいなかったため、ここまでの2駅については突飛な位置を指定してしまいました。
後になって分かるのですが、下車印については全駅で押印位置を指定することが出来ました。
(そのような対応を旅客に対して行うよう指示があるのでしょうか。全駅で徹底されていました。)
- あらかじめどの位置に押すのか決めて臨むと、私のように無計画な仕上がりにならないことでしょう。
4駅目:狭山市駅での入鋏 (新狭山15:14→狭山市15:16) "本川越駅管区各駅めぐり"
狭山市まで来ると4駅目となり、7駅あるスタンプラリーも折り返し地点に差し掛かります。
狭山市駅も南大塚・新狭山駅と同様に、橋上駅舎を構える相対式ホーム2面2線の駅です。
特急を含む全ての種別が停車し、平日ダイヤの早朝には当駅始発の電車も運転される駅です。(2021年現在)
狭山市駅は自動改札横のオープンカウンターで押印をしてもらえます。
なお、ここまでの各駅で当企画のパンフレットを手に入れようと探していたのですが、かわら版やハイキングのチラシが入るラックには見当たらなかったため手に入れることが出来ずにおりました。
狭山市駅の駅員氏に、このパンフレットについて質問すると、カウンター内に用意されたパンフレットを1部頂戴することが出来ました。
押印時に一声おたずねすることでパンフレットは手に入れることが出来るようです。
パンフレット内では、各駅における見どころや豆知識を紹介しています。
南大塚の保線車や入間基地などについて言及する他、「10000系の”豪快な走行音”」の文言には思わず笑ってしまいました。
あまり拡大できてしまうとネタバレになってしまうので、 パンフレット内の「乗り物好き視点での見どころ」 については、ぜひ参加してその内容を確かめてみてください。
と思いましたが、折角ここまで紹介したのですから、入曽駅の内容については次の項で紹介します。
5駅目:入曽駅での入鋏 (狭山市15:35→入曽15:38) "本川越駅管区各駅めぐり"
入曽駅は地上駅舎の相対式2面2線のホームを備える駅です。
特急停車の狭山市駅と、始発・終着駅として機能する新所沢駅に挟まれていることもあり、どこかおとなしい印象を持ってしまう駅でもあります。
入曽駅では改札口脇の兼掌窓口(東口・上りホーム側)において入鋏を受けることが出来ます。
パンフレットより:入曽駅の”乗り物好き視点での見どころ”
先に紹介したパンフレットから入曽駅の内容を紹介します。
パンフレットに記載される内容のネタバレになりますので、ご留意ください
↓ ↓ ↓
- ホームの土台部分を見ると、場所により構造が違うのが分かる。ホーム中央付近が石積みで、離れるにつれてコンクリート、鉄骨製と変わる。列車の編成両数増加とともに延伸したことが見て取れる。石積みの部分は、開業した明治時代のものか?
という記載があります。
なるほど、ホームの土台部分に注目することで、その歴史を垣間見れるというものでした。
さっそく見てみましょう。
画像の中央から左側が延伸された”鉄骨製”の最も新しい部分、右側が”コンクリート製”の部分となります。
場所を移動してホーム中ほど、画像中央付近から左側が石積み、右側がコンクリート製となっています。
こうして見ると、作り方が大きく違うことに気付かされます。
下り方にも延伸されており、コンクリート製と鉄骨製の分界点がありました。
同様のつくりは久米川駅などでも見られますが、ホームの下に注目する機会はなかなか無いので、あらためて新しい気付きを得ることが出来ました。
このように、配布されるパンフレットには各駅での豆知識が紹介されており、次の駅はどんな特徴が?という具合に、楽しみながら回ることが出来ます。
6駅目:新所沢駅での入鋏 (入曽15:50→新所沢15:54) "本川越駅管区各駅めぐり"
入曽駅と新所沢駅の間では、上り電車進行右手側に南入曽車両基地を臨みます。
新所沢駅を起終点とした列車も数多く運転され、この駅を境に電車の本数も変化します。
新所沢駅も、橋上駅舎にオープンカウンターを備える標準的な西武線の改札口です。
駅員氏にはていねいに入鋏を入れていただき、記念券の空欄も残すところあと1つとなりました。
7駅目:航空公園駅での入鋏 (新所沢16:04→航空公園16:06) "本川越駅管区各駅めぐり"
7駅目となった航空公園駅も、橋上駅舎を構える相対式2面2線の本川越駅管区の一番端の駅となります。
航空公園駅は西武新宿線の駅の中で最も新しい1987年に開業した駅です。
駅の時計には、駅の名称通り、航空機のプロペラを模した時計も設置されています。
針が4本?航空公園駅東口の時計を観察 : Rail Log 50番台(西武鉄道雑記ブログ)
西武新宿駅から急行電車で40分ほど、西武新宿線の航空公園駅の時計を紹介します。
こちら航空公園駅でも、新所沢駅と同様に改札脇のオープンカウンターで入鋏をしてもらいます。
入鋏はコンプリート、しかし途中下車印は…?
航空公園駅での入鋏印と下車印を持って、各駅巡りを終えました。
本川越を出発したのが14時47分、途中で電車を一本見送りましたが、航空公園駅に到着したのが16時6分、おおよそ1時間半程度の西武線の旅でした。
パンフレットを片手に各駅の豆知識や歴史をなぞりながら車窓を眺めると、いつもとは違うのんびりとした雰囲気を体験できました。
しかしながら、本川越駅でスタートしたこともあり、本川越駅の下車印をもらうのを失念しています。
これは、焦ることも無いので期間内(2022年3月31日まで)に再訪することとしました。
まとめ:"本川越駅管区各駅めぐり"で、ふらりタイムトリップ
- 各駅巡りの企画自体は無料で参加OK!(運賃は別途かかります)
- コンプリート賞などの景品は特になく、「乗車券型途中下車印・入鋏収集記念券」そのものが景品となる
- 1時間半から2時間程度の所要時間で、1日あれば十分に回りきれる
- 駅で配布されるパンフレットの豆知識にも注目
- 見かける機会の少ない、西武鉄道の入鋏印と途中下車印を収集することができる
- 本川越から航空公園間をひと駅ごとに乗降する際、必要な運賃は882円(IC運賃:147円×6)
手軽に昔懐かしい電車の旅を楽しむことが出来る各駅巡りに、ぜひ参加してみてくださいね。
↓ブログランキングに参加しています↓
応援のクリック&タップを
是非よろしくお願いします