西武秩父発上り快速急行が廃止へ

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  • 西武秩父から池袋の76.8kmを走破する料金不要の直通電車
  • 過日の花形運用「秩父快急」が2022年3月改正で見納めに

2022年3月6日の走行を持って、西武秩父を発車する快速急行池袋行きが廃止となります。

そこで本記事では「西武秩父に発着する快速急行電車」の動きについて書いていきたいと思います。

引用:西武鉄道ホームページより

2022年3月12日に西武鉄道ではダイヤ改正を行います。

キャッチコピーは「生活様式の変更を踏まえ、ご利用状況に応じだダイヤに変更」。

マニア目線で眺めてみると、気になる点はいくつか出てくるのですが、その中でも「西武秩父発の快速急行の廃止」は大きなトピックス。

引用:西武鉄道ホームページより

近年では西武線から秩父鉄道へ直通する電車の削減なども相まって、飯能~西武秩父間のローカル列車の顔ぶれが随分とシンプルになりました。

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西武秩父に発着する快速急行の現状とこれから

2022年3月改正で廃止となるのは、西武秩父16:28発快速急行池袋行きです。

この電車は土休日ダイヤで1本のみの設定となっており、特急などの別料金を要する列車を除けば西武秩父から池袋を直通する唯一の列車です。

「快速急行」という、いかにも速そうな列車種別ですが、通過運転を行うのは飯能から池袋に限られており、始発の西武秩父駅から飯能駅までの約50分間は10個の駅を各駅に停車します。

快速急行池袋行きの運転時刻

土休日ダイヤ1002レ

西武秩父1628
横瀬1631-31
芦ヶ久保1636-41
正丸1646-47
西吾野1651-52
吾野1656-57
東吾野1702-02
武蔵横手1706-07
高麗1710-11
東飯能1716-16
飯能1718-23
入間市1729-31
小手指1738-41
所沢1746-47
ひばりヶ丘1754-55
石神井公園1800-01
池袋1812

飯能から先の停車駅は、入間市、小手指、所沢、ひばりヶ丘、石神井公園、終点池袋の順。

改正後は、これを各停飯能行きと急行池袋行きの2つの列車に変更。これは、1つの列車で直通運転していた快速急行池袋行きを2つの列車で運行するものです。西武秩父発各停飯能行きに乗車し、飯能駅始発の急行池袋行きに接続するダイヤに変更します。

快速急行池袋行きの新2000系

充当される車両を見てみると、この快速急行には新2000系・20000系・30000系のいずれかが充当されます。

山深い秩父路を、ロングシートの通勤車が行き交う姿はどこか特別感があるものですが、これもダイヤ改正で見納めとなります。

ダイヤ改正である2022年3月12日は土曜日のため、快速急行池袋行きが見られるのは、2022年3月6日の日曜日までです。

長らく池袋駅と西武秩父駅を結び続けた快速急行電車が、ついに廃止となります。

過去には下りの快速急行も廃止されていた

遡れば2013年改正でも、快速急行電車の廃止がありました。

池袋を朝7時台に出発する、下りの快速急行西武秩父行きです。

西武秩父へ直通する下りの快速急行は土休日ダイヤの早朝に2本設定されていた

2013年3月のダイヤ改正では、副都心線を介して東急東横線・みなとみらい線と直通運転を開始。

この改正で重視されたのが、地下鉄直通電車の速達性でした。

それまでは、平日日中に「池袋~飯能」間で毎時1本運転されていた快速急行電車の発着駅を「元町・中華街~飯能」に改めています。

この変更は土休日ダイヤにも適用され、池袋~西武秩父で運転されていた下り快速急行が「元町・中華街→飯能の快速急行」と「飯能→西武秩父の各駅」に分断。

地下直通によるダイヤ改正を持って下りの快急西武秩父行きは廃止となりました。

西武301系による快速急行西武秩父行き

西武鉄道では、1969年の西武秩父線(吾野~西武秩父)開通以前から「ハイキング急行」と称する吾野行きの行楽電車を運転してきました。

西武秩父線開通後もその流れは変わらずに、池袋から西武秩父間を直通する速達型の急行電車が多くの行楽客を運んでいます。1980年の種別改変を経て急行は快速急行電車へ変更となり、平成の時代に入ってもこれらの運用は不変の運行形態。

大変長いルーツを持つ快速急行運用でしたが、2010年代に入り縮小傾向を見せ始めることとなります。下り快急の廃止と秩父鉄道直通列車の種別格下げなどを経て、最後まで残った西武秩父発の上り快急も、ついに2022年3月改正を持って運行が廃止されることとなりました。

2022年3月改正以降、飯能以遠における料金不要の列車は各停のみの非常にシンプルなダイヤとなり、ここに長い歴史における一つの終着点が見えた気がします。

西武40000系のS-TRAIN

新たな奥武蔵への案内役は「S-TRAIN」と特急「Laview」、そして「52席の至福」が担うこととなります。
いずれの列車も特急料金などを必要とする列車となりますが、これも時代の流れであると感じます。

西武001系特急Laviewちちぶ号
西武旅するレストラン52席の至福
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西武秩父に発着する快急の廃止をまとめてみた感想

西武秩父発快速急行池袋行きの廃止について書きました。

  • 2022年3月に西武鉄道ではダイヤ改正を実施する
  • 西武秩父発の上り快急が廃止される
  • 過去には下りの快急も廃止されていた


ということが分かりました。

昨今の新型コロナウイルス蔓延による移動機会の減少は、鉄道輸送の収益にダイレクトに影響を与えています。

西武秩父方面から直通する料金不要の電車が無くなることは、ファンとしては寂しいところですが、これも鉄道会社の増収の面から考えると致し方ないものであると理解できます。

新型コロナによる影響が収束した暁には、是非ともイベントなどで「快速急行西武秩父行き」と「快速急行池袋行き」の復刻を期待したいものです。

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