JR東日本が撮り鉄向けに販売している「有料撮影会イベント」の様子をレポートします。
JR拝島電留線において開催された撮影会イベント「新しい車庫を撮りに行かNight ~夜の拝島電留線撮影会~」
普段は立ち入ることの出来ない場所から、E233系や209系、E257系などの「特別な一枚」を撮影できるイベント
鉄道開業150周年を記念したイベントとなっており、中央線・青梅線・五日市線を担当する立川運転区の運転士さんが発案者
↓この記事を書いた人
こんにちは。西武専門の鉄道マニアです。
趣味:西武線の写真をブログにまとめること
拝島電留線撮影会イベントの概要
- 開催日時:2022年7月10日(日) 0:00~4:15(9日終電後から10日始発前)
- 場所:拝島駅構内電留線
- 内容:電留線内での車両撮影
- 募集開始日時:2022年6月23日12:00~
- 募集人数:60名
- 参加費用:20,000円(税込)
※夜食として軽食(カツサンド)の提供アリ
拝島駅の新電留線は、2022年3月より供用を開始しました。
(電留線・・・電車を留め置くスペース→自動車でいう車庫のこと)
新設された6本の電留線の南側には、既存の電留線6本も継続して使用されており、計12本の電留線が並びます。
当日の行程
- 0:00 拝島駅改札集合
- 0:45 拝島駅から回送電車(E257系)に乗車し、拝島駅電留線に移動
- 0:45~3:10 オリエンテーション・撮影会
- 4:00 拝島駅電留線から回送電車に乗車し、拝島駅に移動
- 4:15 解散
撮影会で用意される車両
- 209系1000番台
- E233系
- E353系
- E257系 など
拝島電留線撮影会イベントレポ
それでは、時系列で当日の模様を紹介します。
0:00 拝島駅集合
拝島駅集合は、7月10日(日)の午前0時。
一見すると間違えやすい時間帯ですが、9日の終電間際というと容易に理解が出来そうです。
参加者は受付時に「A・B・C」の3班に振り分けられ、各班によって撮影会のタイムテーブルが区分けされていました。
ヘルメットや安全チョッキも貸与されます。
0:45 拝島駅からE257系で電留線へ移動
電留線へ移動するE257系の車内はこんな雰囲気。
黄色のヘルメットが並ぶ車内は、普段では見られない光景でした。
1:30 撮影開始
撮影会場はエリアを3つ(北・中央・南)に区分けしており、1回ごとに20分の撮影時間が設けられました。
「撮影時間20分+移動時間10分」→おおむね30分で班ごとに撮影エリアを移動
→エリア移動を3回繰り返し、撮影会自体の所要はおおむね1時間30分程度
私はB班に振り分けられていたので、ここからは「北→南→中央」の順で紹介します。
1:35 北エリアから
北エリアからの眺めはこんな感じ。
中央線で活躍するE233系・209系1000番台、八高線のE231系が顔を揃えます。
これら通勤型車両の横には、特急のE353系とE257系の姿も。
しかし、北エリアは構造物が支障してしまう場所も多く、すべての車両をクリアに捉えられるスペースは限定的でした。
2:15 南エリアから
南エリアからの眺めはこんな感じ。
こちらからは6編成の並びを撮影することが出来ました。
一番右のE233系はLEDライト搭載のため、他の編成より光量が多いようです。
新電留線の撮影会場から右側に目を移すと、旧来の電留線6本も眺めることが出来ました。
こちらも、普段では絶対に撮影することの出来ない光景と言えるでしょう。
南エリアではキャパが少ないながらも、スタッフさんの継続的な声掛けにより流動性が良かったように感じます。
参加者側も、これに応じて順繰りと撮影地を融通し合っており、互いを気遣う場面も見られました。
2:45 中央エリアから
最後、中央エリアからの眺めはこんな感じ。
中央からの撮影が、この時点では一番スッキリと撮影できるように感じました。
コンクリート状の構造物が、どうしても目立ってしまいますが、これは致し方のないこと。
他の参加者さんのことを考えると、三脚で高さを稼ぐのもあまり得策とは言えません。
なお、中央に位置する「鉄道150周年ヘッドマーク」を付けたE233系は、撮影会中にテールライトに切り替わる光景が幾度も見られました。
これは、テールライトに切り替えることによって、「間もなく行き先表示が切り替わります」という合図を行っているとのことでした。
深夜帯の開催ということもあり、もちろんマイクなどの使用はご法度。
このような細かい工夫も活用して撮影会は進行します。
立ち入りの規制線は、撮影の際に支障物となる入換信号機より電車側に設けられており、配慮を感じました。(足もとのタイガーロープまで立ち入りOK)
この設定は正に絶妙。とても撮影がしやすかったです、ありがとうございます。
また、撮影の際は線路の軌間(枕木中央)には立ち入らないよう指示があり、参加者各位でこれを遵守している様子もうかがえます。
3:05 拝島電留線から西武線を撮影
願ってもない副産物だったのが、電留線から見る西武線のカット。
時刻は午前3時を回ったところですが、新2000系が拝島駅に着発する様子が見られました。
これは、同日始発から「デジタル無線」に移行するための確認列車だったようです。
西武を追っかけている身として、このような光景に出くわせたことは望外の喜びでした。
(この時間帯は、班ごとに撮影エリアを限定する時間は終了していました)
3:15 撮影会終了
概ね3時10分頃に撮影会は終了となりました。
撮影会終了後は、ふたたびE257系に乗車して拝島駅まで移動。
スタッフの皆さまのお手振りに見送られ、午前4時過ぎに拝島駅改札でお開きとなりました。
電留線と駅の間は「修学旅行」サボで行き来したE257系。
「楽しい修学旅行だった!」という冗談も飛び交う、ウィットなセンスでした。
記念品・軽食の紹介
参加者には、受付時に記念品が配布されましたので紹介します。
- 運転士行路票、注意事項(裏面にエリアマップ)
- LEDライト
- 電留線移動時の座席指定券
- カード型除菌スプレー
- 付箋
- ボールペン
軽食はカツサンド、お茶も付いてきました。
拝島電留線で行われた撮影会イベントについてまとめてみた感想
JRの拝島電留線で行われた有料撮影会イベントついて書きました。
- JR拝島駅の新電留線は2022年3月のダイヤ改正から使用が開始された
- 新電留線に社員以外が立ち入るのは当イベントが初
- おおむね2時間の撮影会には満員御礼の60名が参加
- スタッフの方も丁寧な応対で、参加者同士も相互に気遣う様子が見られた
ということが分かりました。
集合から解散までは、スタッフの皆さまが参加者を丁寧に迎えてくださり、逆に恐縮してしまうほどでした。
ストレスなくイベントを楽しめたということは、その裏側に多くの苦労があったものと思います。
有料撮影会の流れは今後も続くものと思われますが、このような内容でしたら大歓迎です。
(西武鉄道でも、このような撮影会を検討してくれると嬉しいですね)
↓念願かなって、西武鉄道でも実施されました(2022.10追記)
↓拝島電留線ということで、ちょっと昔の写真も掘り起こしてみました。