2022年にデビュー30周年を迎える西武6000系
これを記念した撮影会が、2022年10月29日と30日に小手指車両基地で実施
撮影会は、事前応募必須の有料イベント(昼・夜2部の抽選制)として催行された
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こんにちは。
西武専門の鉄道マニアです。
趣味:西武線の写真をブログにまとめること
2022年10月開催、「みんなで6000系を撮ろう」撮影会の概要
- 開催日時、2022年10月29日と30日
昼:14:00~15:15
夜:19:00~20:15 - 開催場所、小手指車両基地
- 行程
昼
13:15 小手指駅改札口外に集合
13:45 指定列車へ乗車
13:55 指定列車で車両基地に到着、撮影会開始
15:15 指定列車に乗車し小手指駅降車→解散
夜
18:15 小手指駅改札口外に集合
18:45 指定列車へ乗車
18:55 指定列車で車両基地に到着、撮影会開始
20:15 指定列車に乗車し小手指駅降車→解散 - 募集人員、各コース20名
- 参加費用、昼:8000円、夜:10000円
「みんなで6000系を撮ろう」撮影会は、2022年10月4日に西武鉄道ホームページ上で告知が開始されました。
今回の撮影会のポイントは、以下の通りです。
- 池袋線乗務員で自身も「撮り鉄」の社員の発案でスタート
- 「鉄道ファン」にうれしい工夫や西武鉄道の歴史を偲ばせる特別な演出を実施
- 普段は新宿線を走行している「初期車(6001編成)」、池袋線を走行する「ステンレス車(6000番台)」・「アルミ車(6050番台)」を、通常は並ぶことない6000系3編成を横一列に並べる
- 集合場所の小手指駅から車両基地までは指定の列車にご乗車いただき、検修ピット構内や洗車機内の走行を体験していただくなど、撮影以外も楽しめる特別な企画を用意
引用:西武鉄道ホームページ
普段は立ち入ることの出来ない車両基地に専用の列車で向かい、普段では見られない車両の並びを、過去に見られた特別な装飾の状態で撮影できる、という内容です。
特に、撮り鉄乗務員さんの発案であるというのは心強いもの。
この類のイベントでは、主催側と参加者側の熱量の差が、しばしば発生してしまいます。(極めて狭く深い趣味分野なので致し方ありません)
また、そのようなイベントを酷評する意見が散見されるのも現実です。
会社という組織で懸念を洗い出しきることは一筋縄にはいかないものだと、つい想像してしまいます
ニュースリリース
小手指車両基地にて「みんなで6000系を撮ろう」撮影会を実施します!
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西武 小手指車両基地「みんなで6000系を撮ろう」撮影会 参加レポ
高倍率の抽選でしたが、運良く2022年10月29日、夜の部に参加できましたのでレポートします。
18:15 小手指駅改札口外に集合
今回の撮影会では、集合場所は小手指駅の改札付近が指定されていました。
当日、昼間はこの時期に相応しい陽気となりましたが、夜になると気温は10度台前半まで下がり、駅に降り立つと肌寒さを感じました。
受付は改札を出てすぐの場所に設置されており、ひと目でそれと分かるものでした。
電車を利用する一般客が注目したり、スタッフの方に話しかけるような場面も見られました。
受付では検温と消毒を行い、001系の乗車記念カードとイベントのアンケート用紙が渡されました。
ネックストラップについては、事前に自宅へ郵送されており、当日に持参しています。
参加者も揃ったところで、”割りばしくじ引き”が開催されました。
これは、当たりが出た方には、撮影会後半で希望の行き先表示をリクエストできるという内容。
残念ながら私は外れ。他の方のリクエスト内容を楽しむこととしました。
18時30分過ぎ、くじ引きを終えた後は、いよいよ駅構内へ入場することとなります。
制服を着用したスタッフさんを先頭に、三脚を持ったマニアの隊列は流石に目立ちます。
一般客も何ごとなのかと、好奇の目を我々に向けていました。
18:45 指定列車へ乗車
小手指駅の上りホーム、飯能方へ移動しました。
ここからは指定の専用列車に乗って、普段は絶対に入ることの出来ない車両基地内へ入ることとなります。
指定列車としてホームに到着したのは、スマイルトレインこと西武30000系の2両編成の電車でした。
前面にも表示されていた通り、行き先幕には”団体専用小手指行き”を表示しています。
車内のスマイルビジョンも、ご覧のような表示でした。
車内は、2両編成の内、あらかじめ乗車する号車が指定されていました。
今回の撮影会では、パートごとに20名の参加者に絞られていたため、2両編成で1両10名ずつ乗車しています。
前展望も、互いを融通し合うことが可能であったため、このくらいの密度が丁度良いと感じました。
さて、今回のイベント列車において、事前に気になっていたことがありましたので紹介します。
事前に送付いただいた案内の中、赤枠で囲った”遮光幕不使用”の点についてです。
通常、夜間の運転では客室の照明が運転室内に反射することを防ぐため、遮光幕を使用します。
(光が入る状態で夜間に運転すると、フロントガラスに光が反射し、非常に運転がしづらいはずです。)
どのように対策をするのかと思っていましたが、答えは単純なものでした。
それは、客室内の照明を消灯して、反射する光そのものを無くしてしまう、という対策でした。
マニアも喜び、前面展望も可能となる、イベント列車ならではの施策でしょう。
時刻は18時45分になったところ。
前方の入換信号機が進行を表示し、いよいよ車両基地内に向けて列車が進み始めます。
夜の前展望は非常に新鮮でした。
それも、車両基地内に向かっていくのですからなおさらです。
先に紹介した写真は、おおむね赤矢印の位置からの撮影です。
ここからは、先に見えるピット内へ進んでいきます。
ピット前では一旦停止、汽笛を吹鳴して進入しました。
ピットを通過した後は、洗車機の通過体験があります。
南入曽車両基地のイベントではお馴染みですが、”小手指”と”夜”という条件では、なかなか珍しい光景であると言えます。
18時45分に小手指駅を出た専用列車は、こうした普段では味わえない体験を楽しみつつ、車両基地内の撮影スペースへ約7分かけて進みました。
なお、小手指駅へ戻る際も同内容において各種体験が行われました。
上り方2号車に乗車する方は、復路で前面展望を楽しむことが出来た形となります。
18:55 指定列車で車両基地に到着、撮影会開始
貴重な前面展望を体験した後は、いよいよ撮影会が開始となります。
撮影会場付近は、このように洗車のために足場が常設されているため、これを活用して乗降することが出来ました。
会場に着いて驚いたのは、”6000系の3並び撮影会”であったはずが、有り余るほどの車両が並べてあったことです。
2022.10.29 「みんなで6000系を撮ろう」撮影会 夜の部
展示列車一覧
- 6000系6151F(アルミ車・白顔)
- 6000系6103F(ステンレス車・白顔)
- 6000系6101F(ステンレス車・銀顔)
- 6000系6152F(アルミ車・白顔)
- 新2000系2085F
- 6000系6112F(ステンレス車・白顔)
- 新101系241F(伊豆箱根カラー)
撮影会場では、規制線の外から撮影することだけを求められました。
撮影者同士も和やかな雰囲気であり、それぞれがルールとマナーを順守してイベントを楽しんでいました。
こちらは本撮影会の主役とも言える、6151F、6103F、6101Fと並んだ6000系3並び。
詳しい編成ごとの差異は、別記事に委ねます。
こちらは、左から6152F、2085F、6112F、241Fとつづきます。
241Fには、鉄道開業150周年のヘッドマークが取り付けられています。
先日の横瀬イベントで赤電253Fが取り付けていたものと、同様のものと思われます。
新101系ワンマン車による多摩湖表示
なお、非常に印象的だったのは241Fによる「多摩湖」表示でした。
多摩湖線における新101系運用は、国分寺駅ホームドア設置による4ドア車(9000系)導入で、2021年2月に運用を終えています。
西武遊園地駅(現・多摩湖駅)は、新101系の多摩湖線引退から約3週間後に改称を行っており、現駅名である「多摩湖」を新101系ワンマン車が掲出した実績は、営業運用では存在しません。
このため、新101系ワンマン車による「多摩湖」表示は、非常に新鮮な姿でした。
YマークとSマークを6000系に装飾
撮影会の時間も半分が経過した頃、6000系に装飾が行われました。
それが、左の6000系前面貫通扉に貼付されたYマークと、真ん中の6000系スカートに貼付されたSマークです。
これらは、それぞれ以下のような意味合いを持っており、実際に営業運転が行われていました。
Yマーク
2008年6月の副都心線相互直通運用に際し、副都心線非対応(地下鉄は有楽町線のみ走行可能)の編成に見られた装飾。
Sマーク
1998年3月の有楽町線相互直通運用に際し、地下鉄直通非対応の編成に見られた装飾。
Yマーク貼付直前の6151Fは、通勤急行西武新宿行きを表示していました。
2022年現在、新宿線に平日ダイヤで1本のみ存在する列車ですが、白顔6000系での走行実績はありません。
余談ながら、並びの中で6101F横の線路1本(中央)が空けられており、編成写真を撮りやすくしてくれる配慮が「マニア発案」を感じさせてくれました。
(運用の都合なのか、狙ったものなのかは分かりません)
6101FにYマークと通過標識灯(急行灯)の装飾を実施
6101Fには、先に紹介したYマーク装飾と、急行灯の点灯が行われました。
(デビュー30周年のヘッドマークは、元から取付)
西武鉄道の急行灯は1995年前後に使用を終了しています。
なお、6000系は製造の途中で急行灯の使用が廃止されたため、車両の仕様に差異が発生しました。
6101F~6155F(1991~1996年度製造)→急行灯アリ
6156F~6158F(1997~1998年度製造)→急行灯ナシ
6103F~6155Fについては、副都心線対応改造と共に急行灯は撤去されており、現在は6101Fと6102Fにその遺構が見られます。
今回の撮影会では、裏側に小型の照明を特別に設置しているようでした。
(点灯する過程で、手動で一つずつ設営を行っている様子が見えました)
なお、実際の急行灯は、やや黄色が強い色味だったように記憶しています。(オレンジに近かった?)
近年でも、イベントや三岐801系で急行灯の復刻が見られますが、遠い記憶の中の色味には未だ出会えていません。
奥武蔵ヘッドマ―クを取り付けた6000系
時刻は間もなく20時になる頃。
駅に向かう列車の出発は20時15分に迫っていますが、更なる装飾が追加されました。
「急行奥武蔵」のヘッドマークです。
急行奥武蔵ヘッドマーク
池袋から西武秩父へ直通する、休日の「快速急行西武秩父行き」に2001年頃まで掲出されていたヘッドマーク
奥武蔵ヘッドマークには2種の図柄が存在しており、青ベースの図柄が旧タイプ(1990年代中頃まで)、緑ベースの図柄が新タイプ(2001年頃まで)。
今回掲出されたのは、特に人気の高い旧タイプのもの。
これらのヘッドマークは、2001年頃には掲出を終えており、稀にイベント列車などでその姿を見ることが出来ました。
その他の行き先表示など
多摩湖と多磨では、「ま」の漢字が違うことに注意したいものです。
西武線内の渋谷行きは、2008年から2013年にかけて見られた姿。
新2000系の吾野行きも、芝桜の時期に運転されたことがありました。
トンネルの向こう側の行き先を表示しながら、旧奥武蔵ヘッドマークを掲示する、イベントならではの楽しい姿。
20:15 指定列車に乗車し小手指駅降車→解散
時刻は20時10分を回った頃。
車両基地発、小手指駅行きの出発時刻が近づいてきましたので列車に乗車します。
復路も、往路と同様に、車内を消灯して洗車体験とピット内の通過体験が行われます。
20時35分、団体専用列車は小手指駅1番ホーム中ほどに到着しました。
スタッフさんの案内に従って、改札を出場し、こちらでお開き。
重ね重ね、お礼の言葉は伝えさせていただきました。
直後、小手指駅のコンコースから、我々を乗せてきた30000系が出発する様子を見ることも出来ました。
これにて、6000系撮影会夜の部は終了となりました。
集合から約2時間が経過していますが、「あっと言う間」という言葉が相応しいもので、非常に楽しむことが出来ました。
欲を言えば、あと30分ほど時間が長ければ嬉しかったです。
今回、頻繁に変わる装飾や行き先表示に、ほぼ撮影に付きっ切りの状態となってしまいました。
カメラを通してではなく、自分の目で会場を俯瞰して眺めたり、スタッフさんとちょっとした立ち話が出来るような余裕があると、もっと楽しむことが出来そうでした。
まとめ:「みんなで6000系を撮ろう」撮影会 夜の部レポート
「みんなで6000系を撮ろう」撮影会 夜の部について書きました。
- 6000系撮影会は、他の車両も含めて7並びの豪華な撮影会だった
- 時代ごとの装飾が復元され、昔の姿を懐かしむことができた
- 駅から車両基地間も専用の列車が仕立てられ、ピットの通過や洗車体験ができた
- 20人限定のイベントということもあり、和やかな雰囲気で満足度は非常に高かった
ということが分かりました。
参加したマニアの一人として、終わりに
今回の6000系撮影会イベントには600名以上の応募があった模様です。
600名の内訳が全体の総数であるのかは明らかではありませんが、仮に600名応募→20名参加だとすれば、その倍率は30倍にも上ります。
昼・夜2部制で2日開催(20名×2部制×2日間)ということを鑑みても、600名に対して80名しか参加することは出来ず、倍率は7倍超。
なかなかの倍率と、人気度であったことが伺えます。
西武鉄道では今後も同様のイベントを計画しているようですが、このような内容でしたら十分に満足が出来るものと思います。
あらためて、今回のイベントの企画立案から当日のスタッフさんに至るまで、ご尽力いただいた皆さまにお礼を申し上げたいと思います。
普段はなかなかお話しする機会のない乗務員さんたちから「ここ、どんな感じで撮れます?」などと話しかけて頂いたりもしました。
行き先表示の設定や、装飾に奔走するスタッフさんの姿も、非常に距離感の近い雰囲気で接していただきました。
撮影している後ろ側から、急行灯について当時の思いを語るスタッフさんのお話しも聞こえてきました。(時間に余裕があれば、少しお話をさせていただきたかったくらいです)
満足度の高いイベントに仕上がった理由は、「撮り鉄」である乗務員さん発案であることが奏功し、その熱意が参加者側に十分伝わったからではないでしょうか。
おかげさまで、非常に楽しいイベントに仕上がり、それを楽しむことが出来ました。
誠に、ありがとうございました。
次の機会には、是非、また応募したいと思います。
\ちなみにJRはこんな感じです/
↑JRのイベントでは、軽食が配布されたり、アンケート記入時間が30分以上設けてあったり、非常に余裕のある時間配分でした。