2022年にデビュー30周年を迎えた西武6000系。
武蔵丘車両検修場直通のツアー列車などで注目を集めています。
いま一度6000系の話題や近年の変遷を前編・後編の2部構成で振り返ってみます。
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こんにちは。
西武専門の鉄道マニアです。
趣味は西武線の写真をブログにまとめることです。
デビュー30周年 西武6000系の記事一覧
西武6000系の概要(ステンレス車・アルミ車50番台)
西武6000系は1992年に運行を開始した西武鉄道の通勤型車両。
東京メトロ有楽町線の直通運転用車両として、1992年から1998年にかけて10両25編成が製造されました。
西武6000系は前面に地下鉄対応の非常用貫通扉を備えており、デザインは左右非対称。
余談ながら、山口線を走る8500系と6000系の前面デザインは非常に似通ったものとなっています。
余談ながら、6000系と同様に貫通扉を設けている40000系・001系は、貫通扉を中央寄りに配置して、デザインの処理を左右対称としています。
6000系は新2000系の増備終了と同時期に登場しており、西武鉄道の車両カラーが黄色から青色へ変更された形式でもあります。
2022年現在、全25編成の内、23編成が地下鉄直通運用を含む池袋線系統、2編成が新宿線系統で運用されています。
西武6000系にデビュー記念ヘッドマークを掲出(2022.6.4~当面の間)
西武6000系は2022年6月にデビュー30周年を迎えました。
これを記念して、新宿線で走行するトップナンバー6101Fにヘッドマークを掲出します。
西武6000系30周年記念のヘッドマークの掲出期間は、2022年6月4日から当面の間。
6000系は楕円の大型ヘッドマークを装着することが多い印象です。
今回の30周年を記念した円形ヘッドマークは、珍しい姿と言えるかもしれません。
→西武6000系の話題 5社直通と相鉄線方面の可能性
2022年の武蔵丘車両検修場イベントではアクセス用のツアー列車に抜擢
2022年6月4日、西武鉄道は埼玉県飯能市の武蔵丘車両検修場でイベントを実施します。
これに合わせて、会場へ直通で向かうことのできる2つのツアー列車を運行します。
このツアー列車に抜擢されたのが、デビュー30周年を迎えた6000系電車でした。
→2013/8/27 白顔6000系6116F西武新宿線回送
その1.西武新宿発!6058編成で行く親子で西武・電車フェスタ一番乗りツアー
一つ目が、小学生以下のお子さんと親子で参加するツアー列車。
6000系のラストナンバー、6158Fが西武新宿と武蔵丘を往復します。
西武新宿発!6058編成で行く親子で西武・電車フェスタ一番乗りツアー(抜粋)
- 日程:2022年6月4日
- 行程:
8:30~8:50 西武新宿駅でツアー貸し切り列車に乗車
10:30頃 武蔵丘車両検修場到着(→公開イベントに参加)
12:00頃 武蔵丘車両検修場でツアー貸し切り列車に乗車
13:20頃 西武新宿駅着→解散 - 募集人員:最大募集人員66組、最大264名(1組あたり2~4名)
- 旅行代金:
大人1名小児1名の場合・・・16000円
大人1名小児2名の場合・・・17000円
大人2名小児1名の場合・・・18000円
大人1名小児3名の場合・・・18000円
大人2名小児2名の場合・・・19000円
大人3名小児1名の場合・・・20000円
旅行代金に含まれるもの
西武線1日フリーきっぷ(ツアー当日限り有効)
イベント参加費用、諸税
記念乗車証
6000系デビュー30周年グッズ(アクリルキーホルダー)
お楽しみノベルティグッズ詰合せ※小児の方のみ
会場限定デザイン6000系デビュー30周年記念乗車券
6000系が武蔵丘のアクセス列車として走行した実績は以前にもあります。
しかし、副都心線に対応した白顔編成が田無・上石神井以東(高田馬場・西武新宿方面)に入線することは非常に珍しい光景です。(試運転で数える程度の実績)
その2.池袋発!6001編成で行く西武・電車フェスタ直通ツアー
二つ目が、全員対象のツアー列車。
6000系のトップナンバー、6101Fが池袋と武蔵丘を往復します。
池袋発!6001編成で行く西武・電車フェスタ直通ツアー(抜粋)
- 日程:2022年6月4日
- 行程:
12:30~12:50 池袋駅でツアー貸し切り列車に乗車
14:30頃 武蔵丘車両検修場到着(→公開イベントに参加)
16:00頃 武蔵丘車両検修場でツアー貸し切り列車に乗車
17:20頃 池袋駅着→解散 - 募集人員:最大募集人員208名(1組あたり1~6名)
- 旅行代金:
1名・・・6000円(大人・小児とも同額)
旅行代金に含まれるもの
西武線1日フリーきっぷ(ツアー当日限り有効)
イベント参加費用、諸税
記念乗車証
会場限定デザイン6000系デビュー30周年記念乗車券
新宿線のみに見られる銀顔の6000系ですが、2010年までは池袋線でも見ることが出来ました。
今回は久しぶりに銀顔6000系が池袋線所沢以東(練馬・池袋方面)に入線することとなり、貴重な機会と言えます。
→2021/6/5 武蔵丘車両検修場公開に伴う臨時列車【10105Fレッドアロークラシック】
6000系デビュー30周年記念乗車券を発売
デビュー30周年を記念した乗車券も発売されます。
記念乗車券の第一弾は、2022年6月4日に開催する武蔵丘車両検修場の公開イベントで発売を予定。
会場限定の記念乗車券として発売され、表紙デザインの6000系行き先表示に「急行武蔵丘」を表示しているのがポイント。
限定2700セットを発売予定、発売金額は1セット1000円(税込)。
第二弾は、2022年6月25日から西武線内10駅にて発売。(池袋・練馬・石神井公園・所沢・飯能・西武新宿・上石神井・田無・本川越・玉川上水)
ひし形パンタの6101Fが表紙を飾り、ステンレス車体をイメージした台紙デザインとなっています。
限定7000セットを発売予定、発売金額は1セット1000円(税込)。
祝30周年 趣味的に楽しむ西武6000系のデータと歴史・変遷
ここからは西武6000系について、更に詳しくマニアックな視点で紹介します。
西武6000系の形態は主に3パータン(4パターン?)
西武6000系は、車体によって大きく3つのグループに大別されます。
西武6000系の大まかなグループ分け 3パターン
- ステンレス車
6101F~6117F(17編成) - アルミ車(戸袋窓アリ) 50番台
6151F~6155F(5編成) - アルミ車(戸袋窓ナシ) 50番台
6156F~6158F(3編成)
ひと目で大きな差異はないものの、側面を見るとその違いは容易に判別可能。ビードが特徴のステンレス車(1~17)、側面がグレー塗装の50番台アルミ車(51~58)。
50番台アルミ車は更に細分化され、戸袋窓アリ(51~55)とナシ(56~58)で区別することが出来ます。
(6050系と呼ばれることもあります。)
ステンレス車の6101Fと6102Fについては、地下鉄対応が未実施。
そのため、前面の白色化も行われておらず、登場当初の銀顔を維持しています。
銀顔の6101Fと6102Fを別グループで見てみると、以下のように分類することも可能です。
西武6000系の大まかなグループ分け 4パターン版
- ステンレス(銀顔)※先行試作車、地下鉄未対応
6101F・6102F(新宿線) - ステンレス(白顔)
6103F~6117F(池袋線) - アルミ(戸袋窓アリ)
6151F~6155F(池袋線) - アルミ(戸袋窓ナシ)
6156F~6158F(池袋線)
西武6000系の初期車2本は、なぜ副都心線に対応していないのか
2000年代に入ってからの6000系は、6101Fから6107Fの7編成が新宿線系統、6108Fから6158Fまでの18編成が池袋線系統で運用に就いていました。
2006年からは、将来の副都心線直通に伴う所要編成数の増加を見越し、新宿線に所属していた6103F~6107Fにも地下鉄対応工事を順次実施することになりました。
これにより、6103F~6158Fを地下鉄対応車とし、池袋線で運行することとなりました。
新宿線に残ることとなったのが、6101Fと6102Fの2編成。
なぜ地下鉄対応車とされず、乗り入れのない新宿線の運用に徹することになったのでしょう。
その理由は下記の通りでした。
6101Fと6102Fが地下鉄対応とならなかった理由
- 「先行試作車という位置付けで運転台の機器配置が2次車以降とは異なるため、東京メトロ副都心線乗り入れ改造は行われなかった」(引用:鉄道ダイヤ情報2011年2月号P19)
- 「2次車以降の車両ではモニタ装置と始業表差しの位置が入れ替わっている。また、非常通報装置の送受話器が、運転台から運転席後ろに設置位置が変更されている。(引用:鉄道ファン2001年6月号P80)
試作である6101Fと6102Fは、6103F以降の2次車と機器配置が異なるため改造は見送られた模様です。
このため、地下鉄対応工事を受けずに新宿線系統で活躍を続けています。
西武6000系の前面は、なぜ白顔なのか
2022年現在、池袋線の6000系は前面が白色化されています。
原型ともいえる銀顔の6000系は新宿線に2編成が残りますが、なぜ塗り分けを行っているのでしょうか。
この理由は以下の通りです。
6000系の前面が白色化された理由
「(副都心線)対応車の識別と被視認性向上を図るべく前頭部の塗装を白色とした」(引用:鉄道ピクトリアル2013年12月臨時増刊号P289)
改造工事の過渡期には、工事実施の有無を白色化で識別していたようです。
また、視認性の向上も目的にあったようで、全編成の工事完了後も白色のまま運用されています。
特筆されるのが、副都心線対応改造1編成目となる6103F。
改造当初の回送時は「銀顔」で走行しているものの、その約2週間後に白色化されています。
白色化の施工は小手指車両基地で行ったものと見られ、正にこの当時が6000系前面白色化の過渡期だったといえる記録です。
→2006/12/5 6103F試運転【一昔前の秋津4号の様子】
西武6000系のYマークは何を意味していた?
副都心線が渋谷まで開通したのは2008年6月のこと。
この時点で副都心線対応を終えていた池袋線の6000系は23本中11本。(引用:鉄道ダイヤ情報2013年4月号P21)
残りの12本は副都心線に対応した改造を受けておらず、有楽町線のみ乗り入れ可能であることを示す「Y」マークが貼付されました。
副都心線対応工事のために玉川上水へ入場する際には、このようにYマーク車が新宿線を走行する姿も見られました。
Yマークを最後まで貼付していた6152Fも、2010年4月に玉川上水へ入場。
これにより6000系の副都心線対応は完了することとなり、Yマークは2年ほどの短期間に見られた仕様でした。
副都心線ATO対応工事、玉川上水で行われた切り回し作業
6000系の副都心線対応工事は、拝島線の玉川上水駅に隣接する車両基地で行われました。
入出場の際には両端クハと中間モハを切り分けて入換を行う姿も見られ、一連の作業は「切り回し」作業と呼ばれているようです。
2007年2月28日、副都心線対応改造を終えた6106Fを、2543Fで入換する姿を紹介します。
バラされていたクハ2両と中間8両を、元の10両編成に組み直す作業です。
【駅4番】【車庫12番】【車庫14番】の番線イメージ図は以下のマップを参照ください。
入換開始前の6106Fは、【車庫14番にクハ6006とクハ6106】【車庫12番にモハ6206以下中間8連】という位置関係。
これを2543Fで入れ換えていきます。
西武6000系に関連するグッズ・おもちゃ
西武6000系のおもちゃは、Nゲージが発売されています。
西武6000系のグッズは、2022年6月6日より西武鉄道オンラインショップで取り扱いを始めます。
6000系デビュー30周年記念グッズ
- アクリルキーホルダー600円
- シートマグネット600円
- コインケース1600円
- ステンレスマグカップ2200円
西武6000系のプラレールについては2022年現在、発売されていません。
デビュー30周年を迎えた西武6000系についてまとめてみた感想
デビュー30周年の西武6000系について書きました。
- 2022年6月に西武6000系はデビュー30周年を迎えた
- 銀顔の6000系は新宿線、白顔の6000系は池袋線を走行している
- 2022年6月4日のツアー列車では、銀顔が池袋線、白顔が新宿線を走行する
ということが分かりました。
まとめていたら量が膨大になってきたので、7つの後編に続きます。
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