西武6000系の話題 5社直通と相鉄線方面の可能性(後編3/7)

┣西武線を知る
記事内に広告が含まれる場合があります。

2022年にデビュー30周年を迎えた西武6000系。

武蔵丘車両検修場直通のツアー列車などで注目を集めています。

いま一度6000系の話題や近年の変遷を前編・後編の2部構成で振り返ってみます。

当記事は後編(3/7)です。

地下鉄直通の快速急行6115F(練馬高野台/2014.1.28)

↓この記事を書いた人

SSK
SSK

こんにちは。

西武専門の鉄道マニアです。
趣味:西武線の写真をブログにまとめること

広告

5社直通運転前のちょっと珍しい車両運用と運転経路

相互直通運転を知らせる掲示物(東急線渋谷/2012.9.21)

2013年3月16日、渋谷駅を介して東京メトロ副都心線と東急東横線・みなとみらい線が直通運転を開始しました。

東京メトロと一体的にダイヤの組まれる西武池袋線においても、みなとみらい線元町・中華街駅まで乗り入れを開始することとなり、東武東上線系統を含めた5社(東武東上線・西武池袋線・東京メトロ副都心線・東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線)による直通運転が開始されました。

開業にあたって事前の試運転・ハンドル訓練等、今では見られない車両運用も存在しましたので、その一部を紹介します。

当記事は6000系に特化した記事タイトルですが、メトロや東急など他社車両の話題を含む記事構成としています。

東急目黒線を西武6000系が走行した理由

東急目黒線大岡山→奥沢を走行する6110F(2013.1.6終電後)

西武6000系は東急目黒線を走行したことがあります。

5社直通の営業運転開始前には、会社間で車両の貸し借りを行い、試運転やハンドル訓練を行っていました。

東京メトロと東急の線路が渋谷で繋がる前であるため、以下のようなルートで回送されています。

渋谷直通前の車両貸し出しルート

小手指車両基地→小竹向原(有楽町線)→市ヶ谷(南北線)→目黒(東急目黒線)→元住吉検車区

このため、東急目黒線では、西武池袋線や東武東上線の車両が回送で走行した実績があります。

副都心線~東横線直通前には会社間で車両の貸し借りを実施

東急東横線を92K回送表示で走る6152Fハンドル訓練列車(東横線菊名→妙蓮寺/2012.9.21)

5社直通前に車両の貸し借りは頻繁に行われていました。

西武からは6157F・6152F・6110Fなどが貸し出されています。

直通の約半年前からは、それぞれの線区でハンドル訓練が行われており、中には先行営業を開始する列車も。(後述します)

このため、直通開始前ながら他社の車両を頻繁に見かけることがありました。

10両対応工事真っ最中の菊名駅(東急東横線菊名/2012.9.21)

ハンドル訓練中の6152Fがホーム延伸工事中の菊名駅に停車するシーンは、直通開始前ならではの光景でしょう。

地下鉄に直通する前の東横線は8両までの有効長にしか対応しておらず、各駅では10両対応に向けてホーム延伸を実施していました。

6000系の2号車弱冷房車ステッカーもポイント。
(5社直通開始の際、6000系の弱冷房車は2号車から9号車に一斉変更)

時系列順 東横線・みなとみらい線直通前 各社の車両運用(一部)

ここからは時系列で、5社直通前の車両運用を振り返ります。

もちろん全ての動きを追い切れているわけではなく、一部のみの掲載となることはご了承ください。

2011年9月 東横線・西武線で初の車両貸し出し・試運転を実施

はじめて西武線に顔を現した東急車(小手指/2011.9.4終電後)

2011年9月4日の終電後、東急の電車が初めて西武線内に入線しました。

小手指の到着は雨の降る深夜3時頃。

充当したのは、5050系4000番台4102Fでした。

東急4102Fが西武線内で試運転を開始(小手指/2011.9.11終電後)

同時期に西武からは6154Fを東急東横線へ貸し出しており、双方で深夜終電後の試運転が実施されました。

先に紹介した通り、車両貸し出しの際は有楽町線市ヶ谷から南北線と目黒線を経由するルートで回送されています。

東横線へ返却される試運転表示の東急4102F(小手指/2011.9.25)

西武線内の試運転を終え、東急4102Fは9月25日に返却されています。

見慣れた西武線の駅で東急の電車を撮影することには、強烈な違和感を覚えたものでした。

2012年7月23日 東急車の西武線内ハンドル訓練開始

5直開始の8カ月前、2012年7月からはハンドル訓練が始まりました。

明るい時間帯は初の走行となった東急車(所沢→西所沢/2012.7.2)

ハンドル訓練開始に先立ち、東急4104Fが小手指車両基地へ。

初の明るい時間帯の走行(所沢6:30頃発)ということで、早朝ながら注目も集まりました。

新101系と顔を合わせた東急4104F(小手指/2012.7.13)

東急4104Fは西武線内へ回送後、しばらくのあいだ小手指で留置されています。

2012年7月23日から、西武線内でのハンドル訓練が始まりました。

経路は以下の通りです。
小手指→所沢
所沢⇔飯能(6往復)
所沢→小手指

各駅ではホームと反対側の扉を開けるなど、普段では見られない姿が見られました。

2012年7月29・30日 東急車のハンドル訓練車両の交換

ハンドル訓練開始から1週間後、東急4104Fは西武線から東急へ返却されました。

練馬に停車した東急4104Fの回送(練馬/2012.7.29 23:50頃)

この頃になると深夜の回送は終電後ではなく、最終電車が走る時間帯に運転されています。

元住吉から送り込まれた東急4106F(練馬/2012.7.30 6:00頃)

その数時間後、入れ替わりに東急4106Fが西武線にやってきました。

わざわざ車両交換をしたのは、検査の都合等もあったのかと推測するところです。

ハンドル訓練中の東急4106Fと新101系・20000系(小手指/2012.8.3)

引き続き、東急4106Fを使用してハンドル訓練が行われました。

2012年8月・9月 東急車の試運転と4104F回送

東急5156Fが日中の西武線を1往復(西所沢→小手指/2012.8.25)

南入曽の車両基地イベントが行われる中、東急5156Fの試運転が設定されました。

小手指へ回送される東急4104F(西所沢→小手指/2012.9.3)

9月3日早朝には、再び東急4104Fが小手指へ送り込まれています。

2012年9月10日 東急4104F西武線内で先行営業運転開始

2077Fと並ぶ東急4104F(武蔵丘車両基地/2012.9.10)

9月10日からは西武線内で東急車の営業運行が開始されました。

5社直通の約半年前のこととなります。

東急4104F初運行の3732レ快速渋谷行き(飯能→元加治2012.9.10)

初運行は飯能14:09発の3732レ 快速渋谷行き。

東急の車両である4104Fですが、初の営業運行が西武線内であったことは特筆される点。

この先行営業は、2012年9月10日から10月までの概ね1カ月間、40M固定で運用されていました。

先行営業中の東急4104F、運番は40M(所沢/2012.9.21)

40M運行 

┌武○
└飯能1409[3732レ]1519渋谷┐
┌飯能1637[3725レ]1524渋谷┘
└飯能16__[9___レ]17__所沢═(仏子中線1649-1706)
═所沢1730[4804レ]1820渋谷┐
┌飯能1941[4705レ]1825渋谷┘
└武△

東横線内ハンドル訓練の6152F(東横線菊名→妙蓮寺/2012.9.21)

同時期の東急線内では6152Fがハンドル訓練を行っています。(回送表示)

東横線の地上渋谷駅には相互直通運転のカウントダウンも設置(2012.9.21)

工事が進む地下の渋谷駅構内(2012.9.21)

2012年10月28日 6157F東急東横線元住吉へ貸し出し

94Sを表示する回送電車の6157F(小手指/2012.10.28)

2012年10月28日には6157Fが東横線へ。

2012年11月19日 東急4105F西武線内先行営業

東急4105Fによる西武線内先行営業運転(小手指→西所沢/2012.11.19)

一旦は中断した東急車による先行営業ですが、再び東急4105Fによって運転されました。

2013年1月6日終電後 西武6110F・東武9104F 東急貸し出し回送

元住吉を目指す6110F(東急目黒線大岡山~奥沢/2013.1.6終電後)

5社直通まで残り2カ月ほど。

西武線から東横線へ6110Fの貸し出しが行われました。

東武9104Fも目黒線を走行(東急目黒線大岡山~奥沢/2013.1.6終電後)

同日には東武鉄道の9104Fも元住吉に向けて回送されています。

東武9104F:2:20頃通過
西武6110F:2:40頃通過

2013年2月 5直開始1カ月前の試運転と装飾類

試運転で西武池袋線を走行するメトロ7101F(秋津→所沢/2013.2.11)

いよいよ5直も開始となる頃、メトロ7101Fの試運転電車が走行。

6158F(飯能→元加治2013.2.25)

6158Fには”渋谷つながる”ラッピング。

(石神井公園/2013.3.4)

西武線のアピールポイントは、秩父(芝桜)と所沢(飛行機)でした。

(所沢/2013.3.4)

各種サイン類にも「横浜」が登場し、改正当日まで目隠しされていました。

メトロ線内先行営業中の東急5159F(石神井公園/2013.3.4)
メトロ線内先行営業中の東急5159F(石神井公園/2013.3.4)

東急5159Fは東京メトロで先行営業中。

運用の中に西武線内の運行も含まれていたので、顔を覗かせることもありました。

2013年3月16日 5直開始 元町・中華街行き一番列車に所沢市「トコろん」HM

5直初日、西武線からの直通列車1本目は6157F(2013.3.16)

迎えた2013年3月16日。5直初日。

西武線からの直通電車1本目は、小手指6:16発の各駅停車元町・中華街行。

6157F充当で、先頭車には所沢市をPRする「トコろん」ヘッドマークが取り付けられていました。

西武線の電車が横浜方面へ直通する歴史的な瞬間でした。

相鉄直通に西武6000系は対応している?

5直の話題を振り返りましたが、これから気になるのは相鉄線方面の話題。

しかしながら、現状の西武6000系は相鉄線直通に対応した機器を持っておらず、それに向けた車両改修の動きもありません。

(搭載保安装置:西武ATS、メトロATC・ATO、東急・横浜高速ATCのみ)

相鉄線には直通できない西武6000系(所沢→西所沢2012.10.29)

2023年3月に開業予定の相鉄新横浜線と東急新横浜線。

東急線日吉駅から新設される新横浜までの路線を介して、相鉄線(新横浜・羽沢横浜国大方面)へ乗り入れ予定としています。

これにより、副都心線・南北線方面からも物理的には直通運転が可能となるものですが、西武池袋線はこれらの相鉄・東急新横浜線と直通運転はしない予定となっています。

リリース内の路線図でも西武池袋線は細い線で表現され、注釈には直通運転を行わない旨の記載があります。

(相鉄線海老名/2022.1.7)

西武池袋線系統に相鉄電車が直通したり、相鉄線内を西武電車が直通する可能性は、今のところ限りなく低いと言えます。

西武6000系の運用範囲(東武東上線・相鉄線は非対応)

西武6000系は東武東上線に入線できない(東武東上線川越/2013.4.15)

西武6000系の運用範囲は以下の通りです。

西武池袋線、池袋~飯能
西武有楽町線、練馬~小竹向原
西武狭山線、西所沢~西武球場前
西武新宿線、西武新宿~本川越
西武拝島線、小平~拝島

東京メトロ有楽町線、和光市~新木場
東京メトロ副都心線、和光伸~渋谷

東急東横線、渋谷~横浜

横浜高速鉄道みなとみらい線、横浜~元町・中華街

西武6000系の直通運用についてまとめてみた感想

西武6000系の副都心線・東横線・みなとみらい線直通について書きました。

  • 2013年3月に5社による直通運転が開始された
  • 西武6000系は東横線に貸し出されて、直通開始前のハンドル訓練を行った
  • 東横線からは東急5050系4000番台が西武線に貸し出された
  • 相鉄・東急新横浜線に西武6000系は対応していない


ということが分かりました。



\ こちらもオススメです /

池袋線6000系が新宿線を走行する理由を解説


\ いつもありがとうございます! /
記事内で参考にさせていただいた資料です。

鉄道コム PVアクセスランキング にほんブログ村 にほんブログ村 鉄道ブログ 西武線へ

\ サステナ車両のまとめはこちら /

Ads Blocker Image Powered by Code Help Pro

ご利用の環境下では、正常にご覧いただくことができないようです。

他の鉄道ブログを見る→ 鉄道コム

タイトルとURLをコピーしました