西武鉄道のサステナ車両は、東急と小田急の中古車に決定

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西武鉄道が導入を発表していた「サステナ車両」の概要がリリースされました。

導入するサステナ車両は「東急9000系」と「小田急8000形」。

導入線区は、多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線・国分寺線。

2024年度から2029年度にかけて導入されます。

サステナ車両に置き換え対象となった狭山線の新101系
サステナ車両に置き換え対象となった狭山線の新101系

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SSK
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西武専門の鉄道マニアです。
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西武線に導入されるサステナ車両について

西武鉄道には、2023年9月現在1,237両の電車が在籍しています。

このうち、VVVF制御装置を搭載する車両は885両。

おおむね71%の電車がVVVF制御装置の電車です。

反面、抵抗制御装置の新101系、4000系、10000系と、チョッパ制御装置の2000系、新2000系は、352両在籍。

おおむね29%の電車が、VVVF制御装置以外の電車となります。

これらの内、支線区に残る電車の置き換えを、他社の中古車両であるサステナ車両(東急9000系・小田急8000形)で置き換えることが発表されました。

引用:https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20230926_sasutenatrain.pdf

並行して、本線系統には継続して新型車両を投入し、西武鉄道は2030年度までに車両のVVVF化率100%達成を目指します。

サステナ車両として導入される東急9000系の概要

東急9000系は、1986年に登場した通勤形電車です。東急の車両としては初めてVVVFインバータ制御を採用し、省エネルギーと乗り心地の向上を実現しました。また、ボルスタレス台車を採用したことで、車体の軽量化と乗り心地の向上も図られました。

車体はステンレス鋼製で、車内はロングシートを採用し、優先席も設置されています。

登場当初は東横線で主に運用されていましたが、2009年以降は大井町線へ転属が開始し、2023年現在は大井町線のみで運用されています。

  • 車体:ステンレス鋼製
  • 車体長:20m
  • 車体幅:2.8m
  • 車高:4,0m
  • 定員:5両編成692人
  • 最高速度:120km/h
  • 制御方式:VVVFインバータ制御
  • 台車:ボルスタレス台車 TS-1004形・TS-1005形

東急9000系の投入線区は、多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線です。

2025年度以降、順次運行を開始する予定です。

サステナ車両として導入される小田急8000形の概要

小田急8000形は、小田急電鉄が1983年から1987年まで導入した通勤形電車です。4両固定編成と6両固定編成が各16編成ずつ、合計160両が製造されました。

8000形は、小田急の輸送力増強と通勤車両の大型化のため、各駅停車から急行にまで運用可能な汎用通勤車両として登場しました。9000形以来約11年ぶりのモデルチェンジであり、当時としては最新の技術を盛り込んだ車両でした。

8000形は、登場以来小田急の主力車両として活躍してきました。2002年から2013年にかけて、VVVFインバータ制御への更新や車内設備の改良など、大規模なリニューアル工事が行われました。

  • 車体:普通鋼製
  • 車体長:20m
  • 車体幅:2.9m
  • 車高:4.0m
  • 定員:4両編成612人、6両編成936人
  • 最高速度:110km/h
  • 制御方式:VVVFインバータ制御
  • 台車:住友金属工業製FS516(電動台車)、FS016(付随台車)

小田急8000形の投入線区は、国分寺線です。

2024年度に運行を開始する予定です。

サステナ車両が導入される西武の各路線の概要

サステナ車両が導入される線区について紹介します。

多摩川線

サステナ車両が導入される西武の各路線の概要

西武多摩川線は、東京都武蔵野市の武蔵境駅と東京都府中市の是政駅を結ぶ西武鉄道の鉄道路線です。全長は8.0km、全線単線で、所要時間は12分です。ワンマン運転を行っています。

1917年に多摩鉄道として開業し、当初は砂利輸送を目的としていました。1927年に(旧)西武鉄道に合併され、その後に旅客輸送に転換しました。

2023年現在、沿線は住宅地が広がっており、通勤・通学の利用が多い路線です。

多摩湖線

多摩湖線は、東京都国分寺市の国分寺駅と東京都東村山市の多摩湖駅を結ぶ西武鉄道の鉄道路線です。全長は9.2km、全線単線(一部複線)で、所要時間は13分です。ワンマン運転を行っています。

1928年に開業し、当初は小平市の分譲地の輸送手段として計画されました。1936年に全通し、現在は通勤・通学や買い物などの利用が多い路線です。

西武秩父線

西武秩父線は、埼玉県飯能市の吾野駅と埼玉県秩父市の西武秩父駅を結ぶ西武鉄道の鉄道路線です。全長は19.0km、全線単線で、所要時間は26分です。

1969年に開業した際は、東横瀬駅からの貨物輸送や、特急レッドアローの運行開始など、大きな動きが見られました。

2023年現在、沿線は自然豊かな山間部が広がっており、観光やレジャーなどの利用が多い路線です。

狭山線

西武狭山線は、埼玉県所沢市の西所沢駅と埼玉県所沢市の西武球場前駅を結ぶ西武鉄道の鉄道路線です。全長は4.2km、全線単線で、所要時間は8分です。

1929年に開業し、西所沢から村山公園までを結びました。村山公園駅は、村山貯水池際→村山→狭山湖→西武球場前と改称し、現在に至っています。

2023年現在、沿線には住宅地が広がっていますが、ベルーナドームでの野球や催事イベントなどの際には多くの利用客でにぎわう路線です。

国分寺線

サステナ車両導入によって置き換えられる?西武線の車両

西武国分寺線は、東京都国分寺市の国分寺駅と東京都東村山市の東村山駅を結ぶ西武鉄道の鉄道路線です。全長は7.8km、単線(一部複線)で、所要時間は12分です。

1894年に川越鉄道として開業しており、西武鉄道でもっとも歴史の古い路線です。当初は東村山止まりではなく、川越駅から国分寺駅までの路線でした。

2023年現在、沿線には住宅地や学校などが目立ち、通勤・通学などの利用が多い路線です。

サステナ車両導入によって置き換えられる西武線の車両

サステナ車両導入によって置き換えられる車両を紹介します。

※直接的にサステナ車両で置き換わらない可能性のある車両も含みます。

新101系

西武新101系は、1979年に登場した西武鉄道の通勤形車両です。旧101系のマイナーチェンジ車で、前面デザインが変更され、現在も狭山線や多摩川線で活躍しています。

西武多摩川線で運用される車両は、JR線を介して車両の入換が行われます。

東急9000系がこのような姿で中央線を走る姿を、近いうちに見られることでしょう。

2000系

西武2000系は、1977年に登場した西武鉄道の通勤形車両です。西武初の4ドア車両で、界磁チョッパ制御、回生ブレーキ併用全電気指令式ブレーキを採用しました。新宿線のみに配置され、2023年9月現在4編成12両まで数を減らしています。

新2000系

西武新2000系は、1988年に登場した西武鉄道の通勤形車両です。旧2000系のマイナーチェンジ車で、前面デザインが変更されました。現在も新宿線や池袋線などで活躍しています。

4000系

西武4000系は、1988年に登場した西武鉄道の旅客用電車です。秩父鉄道への直通運転にも用いられ、4両編成2扉セミクロスシート車両で、通勤・行楽に対応しています。

東急9000系のサステナ車両導入後は、西武秩父駅付近で「元東急」の車両が顔を合わせることになります。

9000系

西武9000系は、1993年から製造された西武鉄道の通勤形電車です。10両編成で活躍していましたが、2020年からは4両編成に短縮されて多摩湖線で活躍しています。

※9000系は、足回りがVVVF制御のため、置き換えは見送られるかと思われましたが、サステナ車両は多摩湖線にも導入予定であるため、こちらで紹介しました。

番外編:置き換えが気になる編成

西武鉄道は2030年度までに車両のVVVF化率100%達成を目指しますが、簡単に置き換えることのできなさそうな車両をピックアップしました。

新101系263F(けん引車)

新101系263Fは、新車搬入時などの甲種輸送運転時にけん引役を務めます。

2008年、既存の新101系電車を組み替えて、全車モーター付きの車両としてリニューアルしました。普段は狭山線の運用に就いています。

足回りは抵抗制御なので、置き換え対象となりますが、次のけん引車となる電車の存在は明らかにされていません。

4000系4009F(52席の至福・52型)

4000系4009Fは「52席の至福」として運用されるレストラン列車です。(要予約)

2016年4月に運行を開始し、池袋や西武新宿と西武秩父までを主に運行しています。

外装や内装は大幅なリニューアルが行われましたが、足回りは抵抗制御のままなので、こちらも置き換え対象となります。

二代目レストラン列車は、はたして2030年度までに登場するのでしょうか…?

10000系(ニューレッドアロー)

10000系は1993年に登場した西武鉄道の二代目特急電車です。

2020年に池袋線での運行を終えましたが、新宿線では5編成(10108F~10112F)が活躍しています。

その内、2003年に追加で製造された10112FはVVVF制御装置を搭載していますが、10108Fから10111Fまでの4編成は抵抗制御の編成です。

001系ラビュー投入後も、大きな動きのない新宿線の特急ですが、2030年度のVVVF化100%達成に向けて、そろそろ動きが出てきそうです。

サステナ車両の詳細発表についてまとめてみた感想

サステナ車両の概要発表について書きました。

この記事をまとめると、大体こんな感じです。

  • 西武鉄道が導入するサステナ車両は、東急9000系と小田急8000形
  • 導入される線区は、
    東急9000系が、多摩湖線、多摩湖線、西武秩父線、狭山線(2025年度以降)
    小田急8000形が、国分寺線(2024年度以降)
  • 西武の支線区で走る新101系や4000系などは置き換えられる
  • これにより、西武鉄道は2030年度までに車両のVVVF化率100%を目指す

ということが分かりました。

詳細発表から1年とちょっとが経過し、ようやく概要が見えてきました。

これからは、東急沿線や小田急沿線にカメラを持って出かける機会が増えそうです。

ちょっとゴチャゴチャしていますが、サステナ車両が発表されたころの記事も紹介しておきます↓

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