2007/5/18 保谷工臨1870レと1871レ その1【E31形PP貨物】

┣西武線撮り鉄レポ
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2010年まで西武鉄道で活躍したE31形電気機関車の活躍を紹介しています。

その中でも、武蔵丘車両基地を出発して保谷駅を着駅とする、通称「保谷工臨」の紹介となります。
(※2008年6月まで見られたE31形電気機関車牽引による貨物列車(工事臨時列車=工臨)です。)

保谷工臨の武蔵丘車両基地出発は22:50頃でした。

  • 編成は機関車のE31形と、貨車であるホキ81形とトム301形によって組成され、
    機関車は、往路復路共にPP(プッシュプル)による牽引となります

プッシュプルで組成された保谷工臨
トム301形
ホキ81形


作業内容としましては、武蔵丘車両基地の出発前までにホキに新しいバラスト(敷石)を積載し、保線を必要とする箇所においてホキに積んだバラストを線路に補充します。
それと同時に、古くなったバラストをトムに載せて持ち帰る、というものでした。

保谷駅までは電気機関車E31形が牽引し、保線箇所まではモーターカーがホキとトムを、それぞれ牽引する方式でありました。

  • 2007年の保谷工臨では、E31形は現場に向かうことは無く
    夜半の保線作業中は、保谷構内にて留置されます。

保谷構内にて夜を明かしたE33号機

    保谷工臨では、後補機の機関車のパンタの上げ方が通常と異なる点が特筆されます。
    保谷構内における留置位置の架線終端の関係から、下り1871列車の飯能までは
    進行方向前寄りのパンタを上げ、後寄りのパンタを下げとして運行されていました。


保谷構内のE31号機、左側に架線終端標識が見える
飯能までの1871レ 後補機は後部のパンタを下げて運転
※参考 後補機の後部パンタは上げるのが定位だった

復路は、保谷を4:30頃に出発して武蔵丘車両基地を目指します。
往路とは異なり、ホキの積み荷は空となり、トムには古くなったバラストが積まれています。
武蔵丘車両基地到着後は日中帯にバラストの積み下ろしを行い、次の運転に備えます。

運転日は、基本的に往路が月・水・金の終電間際と、
復路が火・木・土の始発前、というパターンでした。

一度運転されると、数週間から2~3カ月程度にかけて設定されることもしばしば見られるのが、保谷工臨や上石神井工臨の特徴でもありました。

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保谷工臨1870レと1871レ その1【E31形PP貨物】

ひばりヶ丘駅上りホームの「貨物」表示

上り電車も終了した0時過ぎ、ひっそりと表示される「貨物」表示。
西武の貨物表示の英語表記は「Not in Service」だったようです。

ひばりヶ丘に到着したトム6ホキ3の保谷工臨

ひばりヶ丘駅も新しくなって間もない頃だったかと思います。
曲線を用いた、オシャレな現代らしさが垣間見える屋根と
武骨な機関車のアンバランスさが妙に記憶に残っています。

保谷駅構内で作業前の入換を行う保線車両

保谷駅では到着後、すぐに入換が始まります。
モーターカー(保線トロリー)が、ホキ3によるPPを組成しようとしています。


  • 奥にはパンタを下げて休むE31形の姿も見えます。

保谷駅で保線作業後の入換を行うE31形

作業終了後、保谷での出発前の入換の様子です。

E31形に電気が入り、トムに連結を行います。
前段でも紹介しましたが、架線終端の都合上、
編成後部の機関車ながら、連結面側のパンを上げているのが保谷工臨の特徴です。

作業を終えた後のトム301形には、交換された砂利を載せている様子が見て取れます。

下り方、飯能まで先頭を務めるE34号機の入換を開始する頃には
空も明るくなってまいりました。


始発前の保谷電留線

始発前の保谷駅の印象は、2020年になった今でもこのままです。

編成ごとにパンを上げていき、順々に電車が目覚めていく様子を眺めるのが
保谷工臨観察時の、副次的な楽しみ方でした。

    ある日の明け方では、全編成のヘッドライトが点灯していたような記憶もあります。
    冬季の保谷工臨ですと、空も暗く、その光景は非常に映える光景でありました。


追って、どこかで紹介できればと思います。

所沢~西所沢を下るE31形の保谷工臨

所沢を出発した保谷工臨のPP編成。
この角度ですと、補機のパンの上げ方が進行方向から上げ下げであることが

よく分かります。

E31形工臨のPP編成においては、補機は進行方向から下げ上げが基本ですので
保谷工臨の飯能までの走行写真では、容易に判別が付くものです。

飯能に到着したE31形の保谷工臨

飯能では進行方向を変えてE33号機が先頭になります。

先頭を務めてきたE34号機は、飯能からは補機となります。
保谷工臨ですので、補機のパンタの上げ方は進行方向から「上げ下げ」かと思いきや
いつも通りの「下げ上げ」で用意を進めています。

  • 保谷工臨の特徴的なパンタの上げ方は、保谷~飯能のみで見られる姿でした。


北飯能信号場を通過するE31形の保谷工臨

北飯能を通過する工臨編成。
この時間になると、流石に太陽が出てきています。

順光になるのが、後追いであるところが惜しいものです。

武蔵丘車両基地に到着したE31形保谷工臨

武蔵丘に到着したE31形の工臨編成。
マミーマート脇へ、おなじみの入換を開始します。

武蔵丘車両基地内で入換を行うE31形とトム6両ホキ3両

この日の入換は、押し込んでからのE34を開放。
貨車のみを引き出して、隣の線へ、という流れだったようです。

マミーマート脇へは、ほぼ毎度移動していましたが
片側の機関車を切り離してあちらこちらと動き回るのは、頻繁には見られなかったかと思います。


  • 日ごとの作業や、構内都合もあったのかと推測します。



幾度となく観察した武蔵丘の入換でしたが、実は番線については無知なものでして
呼称方法が定まりません。

「基地横」や「マミーマート側」、というのが、毎度毎度の呼び方であったのを思い出します。

詳しい方、ご教示いただけますと幸いです。


保谷工臨1870レと1871レ その1【E31形PP貨物】のまとめ

  • E31形のPP(プッシュプル)編成による保谷工臨が運転された
  • 充当はE33号機とE34号機で、貨物はトム6ホキ3だった
  • 到着後は武蔵丘車両基地内で入換が行われた



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