多摩湖線で活躍するワンマン新101系 #261F (伊豆箱根カラー)が、2020年11月9日に横瀬へ回送されました。
横瀬駅到着後には解体線に向かう姿も見られ、廃車になるものと見られます。
ワンマン新101系が横瀬へ回送されるのは
2020年2月の257Fに引き続き261Fが2本目となりました。
新101系261F(伊豆箱根カラー)横瀬へ廃車回送
撮影地:西武池袋線 東吾野→吾野
横瀬行きの回送に先立って、前日の11月8日には玉川上水から南入曽に向けて回送電車が運転されました。
11月8日は南入曽車両基地にて夜を明かし、11月9日に横瀬に向けての回送電車が運転されています。
回送当日は南入曽を出庫し、3つの列車番号を用いて横瀬まで回送されました。
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南入曽~所沢 9852電車
所沢~武蔵丘 9801電車
武蔵丘~横瀬 9911電車
撮影地:横瀬駅(入換)
到着地の横瀬駅では、「Laviewブルーリボン賞受賞記念 車両基地まつりin横瀬」開催の翌日となっており
車両基地内には、展示された保存車両たちの殆どが前日のままの状態で留め置かれていました。
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261F入換の最中には、初代5000系レッドアローと顔を並べる瞬間もありました。
横瀬駅到着後は、分割されることなく編成ごと解体線に押し込まれる姿も見られており
全車両が廃車になるものと見られます。
ワンマン新101系 261Fの晩年について
2005年以降の261Fの活躍を振り返ります。
同編成は、2009年の西武秩父線開通40周年に伴い「ツートンカラー」にて運行された経歴を持っています。
他、特徴的な動きを幾つかピックアップしましたので、以下に紹介します。
2005/3/31 261F ワンマン車初のリニューアル工事施工
2005年当時、多摩湖線で活躍するワンマン車は4編成在籍していました。
(225F・257F・259F・261F)
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新101系ではラストナンバーであった261Fが、ワンマン車初のリニューアル編成となりました。
シングルアームパンタグラフや、前面種別窓の撤去、幅の狭い前面の行き先幕や
側面方向幕新設、スカートの取り付けなど、当時は非常に目新しい姿でありました。
当時のワンマン車の概況についてはこちらの記事もご参照ください。
2009/3/27 261F 西武秩父線開通40周年記念ツートンカラー
初のリニューアル編成としての出場から、丁度4年後の2009年3月には
窓周りにベージュを配したツートンカラーとなって武蔵丘を出場しています。
これは、西武秩父線開通40周年を記念したキャンペーンの一つとなっており、
101系や新101系の登場当初から2000年頃にかけて採用されていた塗装を復刻したものとなります。
復刻塗装としては、2000年の159F赤電や、2004年の193F・197Fツートンカラーに続く、
3例目の復刻塗装となります。
40 年前の西武電車の車体色で運行します。
~西武101系車両、団塊世代とともに時をかさねて今も現役で運行中~
[Wayback Machine - Internet Archiveより]
多摩湖線での活躍が専らだったワンマン車ですが
2010年頃からは西武園線での運用にも入り始めます。
これは、ワンマン101系(低運車)の置き換え用に247F~253Fが追加でワンマン化されたためであり、
出場直後や甲種の合間などの、一時的な余剰が発生した際に
西武園線の運用に就いていたものと推測されます。
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2019年3月16日改正ダイヤでは
西武園線の運用は新101系ワンマン車の定期運用となりましたが
これも2020年3月14日のダイヤ改正前日をもって見納めとなっています。
(一時的な代走での運用は実績あり)
2012年の南入曽イベントには、#271F と共に展示されており
ツートンカラー同士の並びが見られました。
共に展示された271Fは2012年12月をもって引退しており、
261Fについても2013年3月には武蔵丘に入場し、白色化されています。
正に最後の機会で、ツートンカラー同士の並びが見られたことになります。
前回出場の2009年3月から丁度4年が経過する頃となり、入場の時期が近づいてきました。
3月1日には武蔵丘へ入場する261Fでしたが、入場直前は西武園線での運用に就いています。
2013年3月1日には、武蔵丘車両検修場へ入場します。
出場時は白一色での出場でしたので、これをもって復刻ツートンカラー車が消滅することになりました。
次にツートンカラーの姿を見ることが出来たのは、
2018年3月の249Fによるツートンカラー復活の機会でありました。
(西武線の営業電車として)
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※横瀬のクハ1224・くめがわ電車図書館クハ1150、伊豆箱根1300系は
西武線の営業電車ではないので、あえて例外とします
多摩湖線・多摩川線になつかしの「101 系」塗色復活!
ツートンカラー「イエロー×ベージュ」[西武公式PDF]
乗務員室扉付近のCI貼付について
261Fのツートンカラーでは、乗務員室扉付近のCI貼付は見送られていますが
現行の245Fと249Fにおけるツートンカラーは、乗務員室扉付近にCIが貼付されています。
他にも細かな違いはありそうですが
これだけでも、ワンマン新101系のツートンカラーの外観に
複数のパターンがあることが分かります。
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261Fと同時期にツートンカラーになった271Fについても、
事前にお披露目となった武蔵丘車両検修場のイベント時にはCI貼付の姿で展示されていましたが
出場時には、その姿を消していました。
各編成へのCI貼付は2008年春頃から進められていましたが、
2009年に塗色変更を受けた261Fと271FがCIを貼付せずに営業運行したことは
今となっては特筆されることでしょう。
2016/8/22 土砂崩れによる脱線事故当該編成
2016年8月22日には、多摩湖線西武遊園地~武蔵大和間において土砂崩れが発生。
当時、西武遊園地から国分寺行きとして運行していた261Fが、この土砂に乗り上げて脱線しました。
脱線した箇所が狭隘だったこともあり、即日での復旧は難しく、
約2週間に渡り多摩湖線は運転を見合わせます。
脱線事故発生から6日後となる8月28日には、現場から261Fを移動しました。
なお、この車両移動は自走ではなく工務部のモーターカーによる牽引でありました。
懸命の復旧作業もあり、9月6日の始発から多摩湖線は運転を再開しました。
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261Fはしばらくの間、運用から外れていましたが
武蔵丘へ入場の為、スカートを外して自走する姿が見られました。
2020/5/31・6/2 玉川上水~南入曽の不定期回送
最晩年の頃の姿を紹介します。
暫くの間、運用から外れていた261Fでしたが、2020年5月下旬に動きがありました。
玉川上水から南入曽を往復する不定期回送が運転されています。
通例の動きですと、車輪の転削作業の回送と推測できますが
暫くの間、運用を離脱していたこともあり、このまま廃車になるのではという話も聞かれました。
結果的には南入曽から玉川上水へ返却されており
2020年6月以降は運用に復帰しています。
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伊豆箱根カラーには、2018年2月に塗装が変更されています。
(白色の上に青をラッピング?)
9108F試運転の合間に撮影した261Fの後追いの姿です。
次の廃車候補編成という噂もありましたが、特に気にも留めてはいませんでした。
最後に見かけたのは、大回りを利用した際の萩山駅でした。
新101系261F(伊豆箱根カラー)横瀬へ廃車回送の動画
新101系261F(伊豆箱根カラー)横瀬へ廃車回送のまとめ
- 2020年11月9日、ワンマン新101系の261Fが横瀬へ回送された
- ワンマン新101系としては2本目の回送となり、編成単位での廃車と見られる
- 261Fは2009年にツートンカラー塗装となるなど、特徴的な動きも多く見られた
- 2013年には白一色にされるものの、2018年2月には伊豆箱根カラーとなった
- 新101系では新製時のラストナンバー編成だった(263Fは後年になってからの改番)