2020/3/13 【詳説】よく分かる西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日の夜

2020年3月13日、西武池袋線・西武秩父線の10000系(ニューレッドアロー号)が定期運行を終えました。
これにより翌3月14日からの特急は、全て001系Laviewによって運転されることになります。
※西武新宿線の特急小江戸号は、引き続き10000系で運転します

10000系(ニューレッドアロー)むさし号と、001系(Laview)ちちぶ号 2020/1/11


この記事では、最終日の10000系の様子を中心に、入庫先の変更に伴う臨時回送の様子を紹介します。
また、一晩にしてどのように10000系を置き換えたのかが分かるような記事構成としました。

目次

2020年3月現在の西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA)の運用について

10000系ニューレッドアロー 10105F(レッドアロークラシック) 2019/12/14

最晩年における10000系所定の運行では、3編成で3つの運用が組まれていました。
3日で一通りの運用が回ってくるようなイメージです。

所定の入庫位置は、小手指車両基地、横瀬駅、西武秩父駅に各1編成ずつが入庫となります。
定期運行最終日となった2020年3月13日も、10000系は所定通りの運行に就いていました。

しかしながら、翌3月14日からは全ての特急電車が001系で運転となる為、
駅入庫の運用に入る10000系を、どうにかして001系と差し替えなければなりません。


  • 差し替える車両が存在しない横瀬駅と西武秩父駅では、
    「10000系が駅に入庫=翌日の運用入りが確定」となってしまいます。
    ※翌日からは全ての特急電車が001系で運行


NRA運行最終日に駅入庫となる10000系の動きについて

運用サイクルの中で10000系から001系へ差し替えが可能となるのは、
小手指出庫のタイミングのみとなります。
あらかじめ、車両基地を持つ小手指の出庫で運用の差し替えを行い、
3月13日の横瀬入庫と西武秩父入庫の特急を001系で運行することも可能でした。

  • 2020年3月現在の西武池袋線10000系運用概略 (一日ごとに、A→B→Cの順に流れる)

    A-1:小手指出庫→(一日運行)→横瀬入庫
    B-1:横瀬出庫→(朝運行)→小手指入庫 …B-2へ
    B-2:小手指出庫→(午後運行)→西武秩父入庫
    C-1:西武秩父出庫→(一日運行)→小手指入庫 …Aに戻る

  • 例えば…
    3月13日レッドアロー運行最終日において【A-1】小手指出庫と【B-2】小手指出庫のタイミングで10000系から001系に運用を差し替えれば、3月13日運行終了時における駅入庫運用の2つは001系で運転することができます。
    最終日となるNRAの運行(C運行)も残しつつ、3月13日の駅入庫運用を001系で運転することで、3月14日の全特急001系化にスムーズに移行することができます。
    これによって全てのNRAを小手指に入庫させることも可能となるものです。


しかし、特に運用を差し替えることはせず、深夜の入庫直前まで所定通りの運行を10000系で運転したのでした。



NRA運行最終日は10000系と001系の臨時回送で、駅入庫の編成を変更

001系Laview 2020/3/6

3月13日運行最終日の10000系は
横瀬と西武秩父入庫に流れる2編成の営業運行終了後、
所定では駅入庫のところを、いずれも小手指行きの臨時回送として運転されました。

これの代わりに、小手指から001系2本の臨時回送が運転されています。
それぞれ、10000系の入庫しなかった横瀬駅と西武秩父駅に入庫しており
翌日の運行に備えることとなりました。

これら一連の動きによって、
10000系(NRA)から001系へ運用の差し替えが行われました。
(写真を用いて後述します)


NRA運行最終日の入庫位置と充当編成まとめ

  • 10102F
    所定西武秩父入庫→臨時回送で小手指入庫

    10105F(レッドアロークラシック)
    所定小手指入庫→所定通り小手指入庫

    10110F(LAST RUNラッピング)
    所定横瀬入庫→臨時回送で小手指入庫

    001-B1F
    小手指を臨時回送で出庫し、西武秩父入庫

    001-F1F
    小手指を臨時回送で出庫し、横瀬入庫

よく分かる西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日の夜

21:15 小手指【西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日】

001-F1F

小手指車両基地を出庫して、小手指3番に据え付けられるのは001-F1Fです。
この回送電車は、横瀬行きの臨時回送電車として運転されており、
10110Fによる横瀬入庫の代替編成となります。

F編成は甲種輸送後も運用に就かず、暫くのあいだ南入曽に留置されていました。
2020年3月のダイヤ改正後、いよいよ営業運用に就くことになります。

南入曽を出発し、小手指へ返却される001-F1F 2020/3/11

南入曽車両基地を出庫して、小手指車両基地に臨時回送されるF編成の姿を合わせて紹介します。
ダイヤ改正を目前にして、疎開留置となった南入曽をあとにしています。

21:20 小手指【西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日】

001-F1Fと10105F(レッドアロークラシック)の並び

横瀬行き回送となる001-F1Fの隣を通過するのは、ちちぶ52号充当の10105F(レッドアロークラシック)です。
10000系の運用を差し替える001系との並びは、正に過渡期の姿であると感じます。

  • ちちぶ52号は、西武秩父を出発する定期運行最後のレッドアローでした。
    【ちちぶ52号 西武秩父20:25→池袋21:47】



21:55 所沢【西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日】

所沢駅の発車案内
続く22:25の特急も7両の表示
西武秩父とレッドアロー号の組み合わせも本日限り
左:10102F(むさし54号)と
右:10110F(ちちぶ45号)

10000系、ニューレッドアロー号同士では、最後の所沢並びを撮影します。
ダイヤ上、池袋線の10000系が所沢駅で並ぶ姿は、長いあいだ日常的な光景でしたが
本日の定期運行最終日のこの瞬間をもって、本当に最後となります。

  • 10110F(LAST RUNラッピング)の池袋線での定期運行は、「ちちぶ45号」が最終電車となりましたが
    レッドアロー号としての最後の特急電車は、「むさし54号」の折り返しとなる「むさし49号」の10102Fが務めました。

    【むさし54号 飯能21:36→池袋22:17】10102F
    【ちちぶ45号 池袋21:30→西武秩父22:57】10110F



22:48 飯能【西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日】

西武秩父行き回送の001-B1F

小手指を出庫する2本目の臨時回送は001-B1Fでした。
回送電車が飯能駅に到着する様子を紹介します。

西武秩父駅に入庫するのは所定の流れでは10102Fですが、
今日に限っては小手指へ回送されてしまいます。
その代替として001-B1Fが西武秩父駅へ送り込まれています。

001-B1Fの回送は、最終むさし号10102Fの折り返し回送と横瀬で交換することになります。

  • 飯能では1番線(ホームのない側線)に入線しました。

001-B1Fと10105F(レッドアロークラシック)

001-B1Fが飯能へ到着する瞬間、
飯能5番には、むさし47号での営業を終えた10105Fが見えました。

多くのカメラがレッドアロークラシックに向けられる最中、
その背後を、001系の回送が静かに通過していきます。

両者の対比は、正に対極の構図のようで印象的な姿でした。

  • 10105Fレッドアロークラシックは、むさし47号で池袋線での定期運行を終了しました。
    【むさし47号 池袋22:00→飯能22:43】


レッドアロークラシックの充当した「むさし47号」は、平時も小手指へ回送されます。
10105Fについては、いつも通りの動きで小手指へ入庫しました。

23:28 西吾野【西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日】

臨時回送として小手指を目指す10110F

ちちぶ45号で西武秩父に到着した10110Fは、
所定の動きであれば折り返し回送となり横瀬9番に入庫します。

その流れで、翌朝の運行に繋がりますが
明日からは全ての特急が001系で運転されるため、今日は横瀬に入庫できません。
臨時回送として、小手指を目指します。

この臨時回送は西吾野で交換待ちの為、数分停車する様子が見られました。


23:34 西吾野【西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日】

10110F(小手指行き臨時回送)と10102F(むさし49号)

西吾野に停車した10110Fの交換待ちの相手は、
10102Fが充当する「むさし49号」でした。

この「むさし49号」は西武池袋線・西武秩父線の定期運行最終列車です。
先ほどの所沢での並びに引き続き、10000系同士の最後の交換、並びが西吾野で見られました。

  • 西武池袋線の10000系定期運行最終列車は
    10102Fによる池袋22:30発のむさし49号西武秩父行きとなりました。

    【むさし49号 池袋22:30→西武秩父23:49】
    ※金曜日の為、西武秩父まで営業運転

24:02 横瀬【西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日】

横瀬9番に入庫する001-F1Fと回送の001-B1F
001-B1Fと10102F

飯能でレッドアロークラシックの裏手を通過した001-B1Fの回送でしたが
飯能駅での長い時間調整を経て、ようやく終着駅の一つ手前、横瀬に到着しました。

001-B1Fは横瀬で、上り回送電車の交換待ちをすることになります。
交換相手は、「むさし49号」で西武秩父まで運転した10102Fの折り返しとなる回送です。

  • 10102Fは西武秩父23:49着で、所定西武秩父入庫となりますが
    001系への車両変更をかける為、臨時回送として小手指まで運転されます。


西武秩父駅に入庫する001系の臨時回送と、出来なかった10000系の臨時回送、
横瀬でその2本の回送が並ぶ姿は
回送の運転理由を含めて、世代交代を象徴するかのような光景でした。

001-F1Fと上り方へ出発する10102Fの並び
この日から横瀬9番に入庫するNRAの姿を見ることはなくなった

わずかな停車時間ののち、10102Fは上りに向けて出発しました。
出発してすぐ脇の横瀬9番には、入庫状態の001系の姿が見えます。
(所定では10110Fが入庫のところ、001-F1Fが入庫)

朝方に横瀬駅で見られた10000系同士の並びも3月13日までとなりました。

10105Fと10102F 2020/2/24

この場所から臨む特急電車の離合は、翌3月14日からは001系同士になります。
その為、横瀬9番に入庫した001系と10000系の並びは今晩限りとなり、
是非とも見ておきたい場面でありました。


  • 新たに横瀬へ入庫する001系と、役目を終えて走り去る10000系、
    コピーにもなった「NEW is LAST」のコピーに相応しい光景でした。




24:10 横瀬【西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日】

横瀬9番、入庫初日の001系 001-F1F

横瀬に入庫する001系の初日の姿です。

横に並ぶ4000系が8両なこともあり、7両の10000系では先頭車両が奥側に見えましたが
001系は同様に8両編成ですので、同じラインで顔が並ぶようになりました。

  • この日から続く未来の風景に、期待せずにはいられません。
    それほど近未来な印象を受ける光景でした。


24:30 西武秩父【西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日】

西武秩父 入庫初日の001系 001-B1F

こちらも西武秩父に入庫する001系の初日の姿。
この光景を見て、はっきりと10000系の定期運行の終焉を実感しました。

西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行終了に寄せて

2020/1/9 10110F

あれこれと動静を追い続けた10000系でしたが
これにて一区切りとなりました。
沿線でお話をさせていただいた皆さま、ありがとうございました。

また、詳細は割愛せざるを得ませんが、お気遣いを頂いた乗務員・駅係員の皆さま、頭の下がる思いでした。
大変恐縮です、本当にありがとうございました。

2010/12/28 10109F

定期運行としての10000系が無事に走り終えたことを
一人の鉄道ファンとして、とても嬉しく思っております

2009/4/6 西武新宿線 小江戸号

10000系自体は西武新宿線で「小江戸号」として走り続けます。

また、芝桜の時期や秩父夜祭等の臨時ダイヤでは
これまで新宿線の特急を1編成借り入れて運用する実績もあります。

2009/5/18 国際バラとガーデニングショウ開催に伴う臨時特急

池袋線での営業運行が今後一切無いというものでもなく
西武鉄道公式の案内としても、2020年4月の一部のドーム号が10000系で運転との記載があります。

※追記 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い
プロ野球の試合開催も見合わせとなり、ドーム号は運休になりました



2013/6/18 10105F(レッドアロークラシック)

完全引退ではなく、あくまでも「定期運行」を終了するということだったのですが
しかし、それでも一つの区切りであったことには間違いはないでしょう。

  • 個人的な感想としては
    5000系の引退を、何も理解せずに見逃してしまったリベンジを果たせたような気がしています。
    一連の流れを追いかけられたことは、非常に幸運であり、感慨深いものでした。


西武池袋線・西武秩父線10000系(NRA) 定期運行最終日の動きのまとめ

  • 2020年3月13日をもって、西武池袋線・西武秩父線の10000系(ニューレッドアロー号)が定期運行を終えた
  • 最晩年の10000系は3編成で3運用が組まれていた
  • 定期運行最終日は10000系と001系の臨時回送を運転して、横瀬と西武秩父の入庫編成を変更した
  • 定期運行の最終電車は10102Fによる「むさし49号」西武秩父行きだった
    ※金曜日の為、所定飯能行きのところを西武秩父まで延長運転
  • 2020年4月に予定されていたドーム号の10000系充当は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い試合が中止となり、ドーム号も運休となった

2020/3/14現在、特急電車配置一覧

小手指
001-A1F
001-B1F
001-C1F
001-D1F
001-E1F
001-F1F
001-G1F
10102F(定期運行終了)
10105F(定期運行終了)レッドアロークラシック
10110F(定期運行終了)LAST RUNラッピング

南入曽
10106F
10108F
10109F
10111F
10112F

東京西北部から埼玉西南部にかけて、日本の大手私鉄としては5番目に長い路線網をもつ西武鉄道。その歩みは川越鉄道の開業から武蔵野鉄道の開業、旧西武鉄道の成立に多摩鉄道の買収合併、多摩湖をめぐる鉄道の盛衰を経るなど複雑多岐にわたる路線の変遷がありました。本書ではそれら西武の一時代を築いた名車両を池袋線・新宿線を中心にご紹介します。(2020/11/20発売)
秩父線を活性化させるため、「52席の至福」というレストラン電車を導入するだけでなく、自社の看板列車となるニューレッドアローの置き換えとして、新型特急「Laview」を導入するなど、行楽需要の取り込みを模索するようになった西武鉄道。首都圏という巨大な通勤・通学需要が見込める環境にはあるが、秩父観光や西武ドーム・西武園遊園地などへの行楽客の輸送にも取り組む西武鉄道の事例を取り上げ、今後の鉄道会社の経営の在り方を考える!!(2020/12/7発売)

使用した機材


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この記事を書いた人

SSK
SSK【西武線に対する趣味的理解が深まるブログをお届けします】
20年以上に渡り、西武鉄道の写真を趣味で撮影する東京生まれの埼玉県民。
西武線の撮影実績(写真在庫)は10万枚以上。
ホームページ・ブログ運営は15年以上。
子どもと電車を眺めているのが最近の専らです。詳細なプロフィールはこちら