表題の通り、花火と西武電車を一枚に収められるスポットを紹介します。
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新型コロナウイルスの流行に伴い、
花火大会の中止が相次いでいます。
2020年以降の花火大会開催の有無については
各々の公式サイトをご参照ください。
立川まつり国営昭和記念公園花火大会
例年、7月末に実施されます。
花火の打ち上げ時間は、概ね19時40分頃から20時20分頃となります。
2020年については中止である旨が公式サイトにて発表されています。
武蔵砂川駅からの作例
武蔵砂川駅上りホーム上り方より、花火と電車の姿を臨むことができます。
惜しむらくは、10両編成でないと、この位置で電車が停車しないので
その点は、その年ごとのダイヤに注意しましょう。
上り下りホームともに、毎年、見物をされる方がいます。
花火撮影の際は電車の進入・進出時は勿論の事
人の往来にも、充分ご留意ください。
入間納涼花火大会
入間川河川敷(仏子~元加治間)にて
毎年8月15日に実施される花火大会です。
2016年の花火は、20時過ぎから20時40分頃までの打ち上げでした。
公式サイトに2020年の花火大会は中止される旨の案内が出ています。
元加治駅からの作例
元加治駅の飯能方に隣接する踏切より、下り電車の姿を捉えています。
撮影できるスペースは非常に狭小となっています。
入間納涼花火大会は、打ち上げ場所が駅から非常に近い為
小ぶりな花火でも、その姿を見ることが出来ます。
花火打ち上げ時間は約30分間であるのに対して
電車は概ね10分間隔での運転となります。
どの撮影にも共通することですが
事前に、ある程度の位置を決めておくのがベターかと思います。
花火の打ち上げ位置は、概ね画像の通りで固定です。
電車の顔が左に来る場所なので
花火は右上に配した方が画像内のバランスはいいのですが
なかなか、それは難しそうです。
西武園ゆうえんち花火大会
毎度おなじみ、西武園の花火大会です。
西武線と花火というと、一番の定番スポットかと思います。
公式サイトには、花火中止の文言は見当たりませんでしたが
開催の文言も見当たりません。
例年であれば、7月下旬から8月半ばの土日を中心に開催されるため
この時点で案内が無いのは、中止である可能性が高いかと思います。
花火の打ち上げ時間は、概ね19時45分から20時10分頃までとなります。
西武園駅からの作例
西武園駅2番・3番ホームより撮影しています。
小玉は左側から割と多めに、
大玉は右側から要所要所に、
といった具合で打ち上がります。
魚眼を使って寄ってみました。
写るには写るのですが、花火より屋根の高さの方が勝ってしまいます。
お遊びだったら、こんな構図もいいかもしれません。
以前のダイヤでは、花火の打ち上がる20時前後の時間帯に
1番と3番発着の電車が設定されていました。
花火はありませんが、3番ホームから発車する姿です。
2004年の写真にも1番ホーム発着の姿がありました。
この時間帯にホームを振り分けるのは
以前からの習わしだったようにも思いますが
2019年に西武園で撮影をしたときは、全て2番ホームに発着していました。
どこかの改正で時間帯をずらしたのでしょうか。
番外編で、隣接する踏切からの撮影です。
ここはホーム上に撮影者がいると写り込んでしまうので
その点は事前に留意が必要な場所です。
ホーム上に撮影者がいないパターンは
昨今の状況を鑑みると確率は低い気がします。
また、踏切が開いている時間だけでセットから撮影までをせねばならず
相当慌ただしいかと思います。
当時も、やはり撮影時間は2分しかなかったと呟いております。
車の往来もありますし、
何より写真を撮れる確率が異常に低いので
踏切からの撮影はあまりオススメできません。
こちらも2番・3番ホームからですが
終端付近から魚眼を使って撮影しています。
4両停止位置ですと、なかなか電車と花火を絡めるのは難しいです。
より終端付近に位置する8両停止位置であれば、
もう少し構図も工夫できそうです。
2020年現在8両編成の入線はありませんが
東村山駅高架化、そしてまさかの20時前後に8両入線ということにでもなれば…
などと想像してしまいます。
西武遊園地駅からの作例
なかなかネットで作例を見かける機会もなかったのですが
行ってみて納得した跨線橋の存在感。
見えなくはないですし、迫力も十分なのですが
写真にすると、どうしてもイマイチ感は否めません。
多摩湖駅への改称も発表されておりますが
この跨線橋については、特に変化はないものと思います。
武蔵大和~八坂間からの作例
比較明合成前提での撮影となりますが、
こんな具合に撮影することも可能です。
打ち上がる位置と、立ち位置・電車のバランスが重要ですので
1日目は位置の把握、2日目に撮影、といった具合で臨みました。
場所を変えてもう一枚。
上り電車の面タテが定番ですが、
花火と写そうとすると何かと障害物があり
これ以上は右側にカメラを振っても住宅が写るのみでした。
花火と電車の撮影方法(比較明合成もどき)
さて、ここまで花火と西武線の電車の写真の作例を紹介してまいりましたが
ここからは撮影方法と比較明合成について、ざっとですが解説してみます。
誰に教わった訳でもない非常に我流なやり方ですが、
何かの参考になれば幸いです。
機材・設定について
・掲載した画像は、ほぼすべてがデジタル一眼レフによって撮影されたものです。
(EOS Kiss Digital N 40D 5D2…)
・設定は、全てマニュアルモードで撮影しています。
「ISO50 F11 15秒」や「ISO250 F9 2秒」などです。
(NDフィルター使用の場合はこの限りではありません)
・三脚を使用しています。
・レリーズを使用しています。
・ミラーアップ撮影をしています。
シャッターのタイミングと構図
花火撮影において最も大事なのは、
花火を画面からはみださせないことと、花火の尾を写すことだと考えています。
この点を留意するだけで、随分と写真の印象も違ってきます。
(私も最近になって気づきました)
この部分を写すためには、打ち上げ音が聞こえた瞬間にシャッターを切ることが重要です。
その為、あまりに短いシャッター速度(数秒程度)だと
花火が開く前にシャッターが閉じてしまうので、
10秒から15秒程度できれいに映るよう、試し撮りをしながら露出を決定します。
特に大玉は打ち上げ音から、花が開くまでの滞空時間が長いので
シャッター速度は長めに取るのがいいかと思います。
また、比較明合成後の仕上がった画像をイメージしながら
構図を決めるのも重要です。
花火の位置と電車の位置で無理がないか、
これを花火打ち上げ時間内の、最初の数分で終わらせるようにしています。
複数枚撮影について
露出設定と構図が決まったら、
決めた位置の三脚やカメラには、花火が終わるまで触れてはいけません。
簡単な画像チェック程度ならいいのですが
カメラの位置が動いてしまうと、後の画像編集で面倒なことが起きます。
・花火が上がったら花火を単体で撮る。
・電車が来たら電車を単体で撮る。
これだけでいいのです。
電車と花火が一堂に会する必要は、絶対ではないのです。
単体の画像を撮り溜めていきましょう。
2019年の西武園での花火の写真も、単体では上記のように
花火の数は多くありません。
画像編集(比較明合成)について
単体での画像を撮り溜めて、PCに画像を取り込んでから合成作業を行います。
私は長いことJTrimというフリーソフトを使わせてもらっています。
画像合成ソフトについては様々なものがあるので、
ご自分に合ったものを使うのがいいかと思います。
花火の位置やバランスを考慮して4枚を抽出しました。
全ての画像は、同じ構図、同じ露出で撮影し、
RAWファイルから色温度を統一して現像してから、作業に入ります。
これらの画像を、まずは比較明合成していきます。
AとBの2枚を比較明合成しabという1枚の写真が出来上がり、
abとCの2枚を比較明合成してabcという1枚の写真が出来上がり、
abcとDの2枚を比較明合成して、最終的に1枚の画像になる、
といったイメージです。
JTrimの比較明合成については
「編集」→「合成」→「明るい画素優先」と進みます。
そして、上記4枚の画像を比較明合成した写真が下の写真です。
合成後は、花火は綺麗に合成されましたが
電車が消し飛んでしまっています。
これは明るい画素を優先しているので、致し方ありません。
これを直すために、画像のコピー貼り付けを実施してまいります。
非常に原始的なやり方です。
上記のような作業で、私は花火の画像を比較明合成しています。
この作業が後に控えていることから
三脚を動かしたり、途中で露出を変更することが出来なかったのです。
◇
昔のカメラであっても、このようにフリーソフトを駆使して
比較明合成は可能ですので、皆さんも挑戦してみてはいかがでしょう。
(最近のカメラだと、もっと簡単に出来るのかもしれません)
最後までご覧くださいまして、ありがとうございました。