2022年1月22日、西武2000系の2007編成(2007F)が、有料撮影会のツアー列車として、西武新宿線・池袋線・狭山線で運転されました。
2022年1月22日(土) 2007編成を使用したツアー「旧2000系最後の8両編成2007Fで行く!南入曽車両基地とヒ・ミ・ツの撮影会場!」を開催します(西武公式PDF)
ツアー参加者は、西武2000系電車としては最後の8両編成となった2007Fに乗車して、南入曽車両基地と”ヒ・ミ・ツの撮影会場”の2か所の撮影スポットを回りました。
最後は、ツアー客を乗せたまま普段は2000系が滅多に入線しない西武池袋線池袋駅まで運転され、多くの注目を浴びながら無事にイベントを終えています。
こちらの記事では、ツアー貸切列車の2007F走行シーンの写真と、撮影会場へ送り込まれた珍しい回送電車の模様を紹介します。
(参加者限定の撮影会場や2007Fの車内の様子などは、ツアーに参加された方のレポートをご覧ください)
ブログの最後にも↑このリンクを貼りましたので、当記事を読んで面白かったら合わせてチェックしてみてください。
西武2000系2007F撮影会ツアー列車の様子と概ねの通過時刻
西武2000系は1977年に製造を開始した新宿線用の車両です。2015年からは経年による廃車も進行し、4本在籍した8両編成は2022年現在、2007Fの1本のみとなっています。
今回、ツアー列車に抜擢された2007Fは、そのツアー名からも容易に読み取ることが出来る通り、その特徴と立ち位置を大いに活用したものとなっていました。
以下に「旧2000系最後の8両編成2007Fで行く!南入曽車両基地とヒ・ミ・ツの撮影会場!」の行路を示します。
新宿線;南入曽車両基地[回送で出庫]8:40頃発
↓(回送西武新宿行き)
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新宿線:西武新宿9:40頃発
↓(団体専用南入曽車両基地行き)
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新宿線:南入曽車両基地10:30頃着13:00頃発
↓(団体専用ヒ・ミ・ツの撮影会場行き)
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◎◎線:ヒ・ミ・ツの撮影会場13:30頃着15:00頃発
↓(団体専用池袋行き)
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池袋線:池袋15:45頃着16:00頃発
↓(回送所沢~南入曽車両基地行き)
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新宿線:南入曽車両基地に入庫17:00頃着
参考:Twitter検索 #2007Fツアー
ツアー参加者は西武新宿駅に集合場所を指定されており、ここから2007Fのツアー列車に乗車します。このため、2007Fは南入曽車両基地から西武新宿駅までの送り込み回送が運転されています。
2007Fは西武新宿を始発駅とした、一旦の目的地である南入曽車両基地行きの団体専用列車として運転され、普段は乗客を乗せたまま入ることのない上石神井側線へ着発する姿も見られたようです。
特筆されるのは、後半の池袋線を走行するシーンです。通過運転を行う列車でありながら、池袋線の複々線区間(石神井公園→練馬)で各駅停車用の緩行線を走る姿が見られました。
※複々線の緩行線を各駅停車以外(回送含め)が走行する様子は、西武ではほとんど見られる事はありません。
西武新宿から南入曽車両基地へ向かう2007Fツアー列車
西武新宿からツアー参加者を乗せた2007Fが西武新宿線を下ります。
2007Fは西武2000系の最後の8両編成でありながら、前面と側面に幕の行き先表示を備える編成です。一度は3色LEDに更新されたのですが、2016年1月に方向幕に戻されてから、その姿を維持しています。
西武の3色LEDは個体によって、ドットの欠損や劣化が激しいものがあったので、これの代替が廃車発生品の「方向幕」だった、というのが大方の見方です。
(公式発表があったわけではありません)
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この為、3色LED時代の名残として正面向かって右側の表示窓が黒色のままとなっています。
方向幕に戻される際に限っては、右の小窓は手が入らないままが基本となります。 ※方向幕車は白色が所定
南入曽車両基地からヒ・ミ・ツの撮影会場行きの2007Fツアー列車
南入曽車両基地に到着後は、参加者限定の撮影会が開かれ、これをそれぞれ楽しむこととなります。撮影会終了後は再び2007Fのツアー列車に乗って、二つ目の撮影会場に向かいます。
これから向かうのが、今回のツアーのメインコピーにもなっている「ヒ・ミ・ツの撮影会場」となります。
新宿線の南入曽車両基地は、新所沢駅と入曽駅の間にある車両基地です。朝の回送に引き続き、南入曽を今日二度目の出発となる2007Fは、基地を上り方面に出庫しました。
そのまま新宿線を上ると、池袋線と接続する所沢駅に10分弱ほどで到着しますが、ここで列車は新宿線から池袋線へ転線しました。
気になるのは編成前後に貼付されたシール式のヘッドマークです。
こちらはツアー参加者にも事前に知らされることは無く、当日のサプライズとして用意されたもののようです。
乗務員交代の後、2007Fのツアー列車は所沢駅から池袋線に入り、下り方面へ出発しました。
これから向かう「ヒ・ミ・ツの撮影会場」は、狭山線の西武球場前駅であり、所沢から一つ隣の西所沢を経由し同駅を目指すこととなります。
撮影会場となった西武球場前駅では、新宿線所属の6000系や、新宿線の2000系2両編成を2本つなげた4両編成、狭山線の新101系赤電などが、2007Fと並べられて展示されていた模様です。
2007Fツアー列車は西武球場前駅から池袋駅までを完走
西武球場前駅での撮影会終了後は、西武球場前駅から池袋駅を目指します。
こちらが最後の乗車機会となりますが、午前に引き続き運転経路に特筆される点があったようです。
普段はなかなか乗ることの出来ない「所沢4番から池袋線上りへ出発」や「石神井公園~練馬間の緩行線を通過運転」する等、これは乗車した方にしか体験できない貴重なものとなりました。
2007Fツアー列車の返却回送は所沢4番折り返しで南入曽に入庫
池袋駅までのツアー列車を無事運転し終えた2007Fは、入庫先である南入曽車両基地まで回送されました。
この回送電車は池袋から所沢を走行後、所沢4番で折り返しを行い、新宿線に転線して南入曽車両基地に入庫しています。
これにて全ての行程が無事終了となりました。
南入曽車両基地の撮影会場で展示されたLaviewの返却回送
ここからは撮影会実施に伴い、新宿線と池袋線、両線の間を行き来した回送列車を紹介します。
新宿線の南入曽車両基地と、池袋線の西武球場前駅で参加者限定の撮影会が実施されたことは前述した通りですが、この撮影会では普段は両線で見ることの出来ない車両を留置する演出がありました。
新宿線の南入曽車両基地には、池袋線でしか走行していない特急電車、001系ラビューが送り込まれました。
2019年のデビュー以降、新宿線を走行する機会は年に数回見られる程度の珍しいシーンとなります。
紹介した様子は、南入曽車両基地の撮影会終了後、池袋線へ返却される際の模様です。
ヒ・ミ・ツの撮影会場へ送り込まれる2000系と6000系
新宿線から池袋線には、2つの電車が送り込まれています。1本目が2000系2両編成を2本つないだ4両編成です。
今回の主役である2007Fも同様ですが、2000系のうち初期型2000系、いわゆる旧2000系と呼ばれるグループは新宿線でしか活躍していません。
(池袋線で活躍する2000系は、全て新2000系)
また、このように2両編成を2つ繋げた組成は営業運行に充当される機会が無いため、撮り鉄からの人気が非常に高い組成となります。
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2連-2連に4連を繋げた8両編成や、2連-2連-6連の10両編成は、稀に出現することもあります。
しかし2連-2連の4両編成は、それ以下の出現頻度であり、非常に注目を集める組成となります。
こちらは夕方の返却回送です。
西武球場前駅での展示を終えた2401Fと2403Fは、16時半ころに新宿線南入曽車両基地へ向けて返却されています。
こちらは新宿線に2本のみが所属する6000系です。西武6000系は、有楽町線と副都心線・東横線・みなとみらい線を直通する電車のため、池袋線に殆どの編成が所属しています。
しかし、初期に製造された6101Fと6102Fの2本については、地下鉄に直通する設備を持たず、新宿線で運用に就く姿が見られます。このため、前面は白色に塗装されておらず、原型である銀色を保っているのが特徴です。
2000年代初頭の野球臨までは、新宿線の6000系を使用した直通電車が見られたこともありました。今回のように狭山線へ顔を覗かせる機会もあり、その姿は決して珍しいものではありませんでしたが、近年では新宿線の6000系が野球臨の運用に充当する機会はありません。
まとめ:2007F撮影会ツアー列車は無事運転終了、感想はさまざま
今回のツアーは、近年流行りの有料撮影会イベントとして、西武初の試みとなりました。
人気のある編成をチョイスし、ツアー列車を仕立て、両線の間を複数の回送が行き交い、2つの撮影場所を工面する等、多くの工夫が見られた内容でした。
しかしながら、少なくはないツアー参加者の声として、改善の余地がある点を指摘されているのも事実です。
(撮影会場の光線状況や、乗車側にはメリットの無かったサプライズヘッドマーク、一般客も撮影可能となっていた西武球場前駅など)
このあたりは、イベント2回目に繋げるための材料となることを願わずにはいられません。
いわゆる「マニア向け」を標榜するのであれば、喜んでお手伝いをしてくれそうな社員さんがいるような気もするのですが、なかなかそれは組織の壁に阻まれて実現は難しいのかもしれません。
これについては、また別の機会に改めて考えてみたいと思います。