西武秩父線・池袋線 秩父夜祭臨時電車の様子【2005年からの振り返り】

西武鉄道における秩父夜祭臨時電車の動きを、年代ごとに解説します。

冒頭では2019年の所沢止まりの電車の動きを紹介します。
例年、秩父夜祭臨時電車における最終電車間際の数本では、西武秩父駅から上りの所沢行きが設定されており、所沢3番で折り返す様子が見られます。

記事後半では、2005年以降の臨時電車の様子を多くの記録と共に紹介します。
吾野3並びや、リニューアル前の所沢駅3番で折り返す電車の様子など、趣味的な観点から紹介してまいります。

目次

西武秩父線・池袋線 秩父夜祭臨時電車の様子【2005年からの振り返り】

毎年12月3日は多数の臨時電車を運転(2013/12/3)
西武秩父を21時前後に発車した上り電車の混雑状況(2011/12/3)
臨時特急も、ほとんどの電車で満席となる(2012/12/3)

秩父夜祭は、毎年12月に実施される秩父神社のお祭りです。
12月1日から6日にかけて行われ、一番の盛り上がりを見せるのは「大祭」にあたる12月3日となります。
12月3日の秩父夜祭への人出は最大で30万人ほどとなっており、これに応じる西武秩父線では1年の中で最大の賑わいを見せることになります。

  • 多数の臨時電車を運転して輸送力を増強させますが、飯能から西武秩父間は駅と信号場を除き単線区間となっています。
    この為、運転できる電車の本数にも限りがあり、毎年12月3日の夜だけは需要がひっ迫する様子が見て取れます。

  • こうした線路容量の制約の中、定期電車の時刻変更も含めて多数の臨時電車がダイヤの合間を縫って運転されます。
    池袋行きの直通電車や臨時回送をはじめとした、吾野3並びや横瀬の留置など、普段は見せない動きをすることが趣味的に楽しめる部分でもあります。

2019/12/3 ちちぶ96号10105F(レッドアロークラシック) 特急所沢行き【秩父夜祭臨時電車】

所沢に到着する当駅止まりの「ちちぶ96号」
時計は夜中の0時半、終電も近づくころ

それでは2019年の様子を紹介してまいります、
秩父夜祭の臨時電車ですが、池袋線の臨時電車では上り所沢行きが運転されるのが通例となっています。
この所沢行き、基本的には所沢駅3番線で折り返して下り方へ出発、小手指か武蔵丘まで回送となります。
(保谷に入庫でそのまま上ってしまう場合もあります)

  • 2019年の所沢行きは3本運転されました。

    [各停所沢] 西武秩父2300発→所沢0029着
    [特急所沢] 西武秩父2320発→所沢0022着(ちちぶ96号)
    [各停所沢] 西武秩父2340発→所沢0059着

2019/12/3 4000系8両編成 各停所沢行き【秩父夜祭臨時電車】

4000系の所沢行きは所沢4番に到着
入れ替わるように10105Fの回送が所沢3番を逆出発
4000系4017F-4021Fも折り返し下り回送に

2019年の12月3日は平日でありましたが、4000系の各停所沢行きからは少なくない数の乗客が降車する様子が見て取れました。

なお、西武秩父駅を出発する電車においては、概ね23時前後より所沢止まりの電車が出現します。

秩父夜祭へ出かける際は帰りの電車もチェックしておかないと、うっかり池袋方面へ帰れなくなる場合もあるでしょう。
所沢駅で西武新宿線へ乗り継ぐ際も、概ね23時半ころまでに所沢駅に着いているのが安心です。

2005/12/3 吾野駅の秩父夜祭時刻表
2006/12/3 西吾野駅の秩父夜祭時刻表

  • 秩父夜祭において池袋・西武新宿方面へ帰宅する場合は、22時頃までには西武秩父駅を出発しないと電車が無くなってしまいます。

  • 12月3日の西武秩父線は多客のため、多くの場合で遅延が発生します。
    西武線同士の電車の接続は多くの場合で考慮してもらえますが、乗り継ぎ時間が差し迫る中での遅延は、乗車していてもなかなか落ち着きません。


2019/12/3 新2000系8両編成 各停所沢行き【秩父夜祭臨時電車】

池袋線上りから所沢4番へ進入する上り所沢行き
最終の所沢行きに充当したのは2077F

最後の上り電車の各停所沢行きを紹介します。
所沢3番ホーム上では夜間作業が始まり、3番発車標も無表示になりました。
最終の所沢行きも、4000系所沢行きと同様に4番到着となりました。

この年の夜祭は平日開催、最終の所沢行き到着場面では降車する乗客の数は多くありませんでした。
(所沢0:59着が定刻のところ、遅れ発生のため1:07所沢着)

この2077Fも、数分で下り方へ折り返して回送されています。

  • 2019年の所沢行き3本は、以下のような様子で運転されました。

    [各停所沢] 西武秩父2300発→所沢0029着→4番着→下り方へ回送(4000系
    [特急所沢] 西武秩父2320発→所沢0022着→3番着→下り方へ回送(10000系
    [各停所沢] 西武秩父2340発→所沢0059着→4番着→下り方へ回送(新2000系


SSK

3番折り返しを期待していたのですが
3番で折り返したのは、10105Fのちちぶ96号のみでした。

過去の西武秩父線・池袋線 秩父夜祭臨時電車の様子【2005年~2013年】

2005/12/3の西武線臨時電車 【2005年の秩父夜祭臨時電車】

4009F-4021F
HIDライトの10101F
3003F 247F-243F 305F

2005年の12月3日は土曜日でした。
当時は朝に秩父鉄道直通の4000系快急が池袋から運転されていましたが、この直通電車の行先を変更して「快速急行西武秩父」行きとして運転しています。
12月3日が土休日ダイヤである場合にのみ見られた姿となりますが、2020年現在では4000系の快急運用(池袋直通)自体が消滅しています。

  • 試験的にHIDライトを搭載していたNRA10101Fの姿もありました。
    2005年から2006年にかけて、10101F・20108F・20158FがHIDライトを搭載していました。


10106F 特急所沢行き
所沢3番からの逆出発

夜の臨時電車では特急所沢行きを含む、数本の上り所沢行きが運転されています。
2005年の夜祭臨時ダイヤでは、所沢行きの電車は全て3番線に着発していたと記憶しています。

2083F 所沢行きの折り返し回送
307F 所沢3番を逆出発
245F豊島線返却回送

307Fの旧南改札からのアングルは、今となっては非常に懐かしく思えるアングルです。

  • 当時の豊島線は新101系の4連が豊島園と練馬を往復する運用が組まれていました。
    4連の245Fは運用を終えて小手指まで回送される姿となります。




豊島線の4連については、こちらでイレギュラーな動きを紹介しています。

2006/12/3の西武線臨時電車 【2006年の秩父夜祭臨時電車】

241F 3001F 10104F
3001F
2069F 2065F

2006年の12月3日は日曜日でした。昨年と同様に土休日ダイヤでの運転となります。

西武鉄道では2006年のダイヤ改正が存在せず、2005年3月のダイヤ改正から2007年3月ダイヤ改正までは同じダイヤで運行されました。
その過渡期2年の間に収まった2005年と2006年では、夜祭臨時電車もほぼ同様のダイヤで運転されています。
都合よく、この2年間の12月3日は両日とも土休日ダイヤだったということもあり、前年の経験をもとに運用を追うのが楽だったのを覚えています。

  • 翌年の2007年12月3日からは回生電力貯蔵装置が稼働し始めます。
    「飯能以遠は基本的に3ドア(抵抗制御車)」の概念は、この年が最後でした。
    (4ドアが入線しなかったわけではありません)




2008/12/3の西武線臨時電車 【2008年の秩父夜祭臨時電車】

8両時代の3007F
混雑を見せる上り飯能行きの307F
307Fは所沢行きにも充当

回生電力貯蔵装置も稼働し、3000系や新2000系などの電車が当たり前に行き交うようになりました。
種別や行先の幕も、この年の夏までに交換を終えており、印象が随分と変わっています。

  • この年の4月にデビューを果たした30000系でしたが、2008年の夜祭臨時電車への充当は無かったようです。


2009/12/3の西武線臨時電車 【2009年の秩父夜祭臨時電車】

3011F 2079F
2079F 2063F
239F

2009年は天候に恵まれませんでした。

吾野やその他各駅でのホーム進入は、進行向かって左側の線路に進入するのが基本ですが、夜祭臨時電車に限ってはその法則は完全に崩れます。
下り電車が吾野1番に入っている姿も、やはり多少の違和感がありますが、これも夜祭臨時ダイヤならではの光景と言えます。

4000系が初の所沢行きに充当

2071F
先頭から4005F-4011F
2079F

この年の所沢行きから、4000系が充当しています。
夜祭臨時電車では、基本的に3ドアか4ドアの電車を使って、効率よく乗客をさばくのが通例です。
しかし、2009年からは線内の運行が増える夜間帯においても4000系の運用が残されるようになりました。

降り続いた雨の影響もあり、秩父夜祭の人出も少なかったようで、結果的に4000系の充当でも事足りている様相でした。

  • 人出が少ないことを見越した運用だったようにも思えますが、ただでさえ綿密に組まれているダイヤを突発的に変更するとは、なかなか思えません。
    最初から4000系充当予定ではあったものの、雨による人手の少なさも手伝って、輸送力が適当なところに落ち着いたように思います。
    この結果を受けてか、翌年以降も夜の時間帯に4000系が運用の幅を広げています。


2010/12/3の西武線臨時電車 【2010年の秩父夜祭臨時電車】

銀色の電車が夜祭臨時に初登場

3015F
20154F 西武新宿線直通
38107F 20154F

2010年7月運行開始の初代L-trainである3015Fが山線にやってきました。
この年から、20000系や30000系の運転が本格化します。

  • この年のみ、西武新宿に着発する直通電車が1往復運転されました。
    20154Fによって運転されています。


52型に改造前の4009F

4009F 20154F 10000系
20154F 高麗駅で西武新宿行きは珍しい

前年に、所沢行きとして飯能以東へも足を延ばした4000系でしたが、2010年は急行池袋行きに充当されています。
当時の4000系は定期電車で「快速急行池袋行き」として運転を行っていたので、急行電車で池袋まで運転するのは非常に珍しい姿でした。

  • 4000系の快速急行池袋行きは、2013年3月改正で急行池袋行きに格下げされており、2020年3月改正で廃止されています。


唯一幕車として残る2063Fも所沢行きに充当
4023F 前年に引き続き4000系も所沢行きに充当
3015F 復路輸送も非常に賑やかな顔ぶれだった

この年も運転された所沢行き。
4000系も前年に引き続き充当しており、車両のバリエーションが非常に豊富な年となりました。

2011/12/3の西武線臨時電車 【2011年の秩父夜祭臨時電車】

新101系・301系列、最後の夜祭臨時電車

新2000系 309F 10105F
10109F 10105F
2073F

2011年11月から運用を開始した10105F(レッドアロークラシック)でしたが、さっそく夜祭臨時の見どころである吾野3並びに顔を覗かせています。

この年は新101系・301系の最後の夜祭になりました。
2012年以降は、4000系と共に主に4ドア車が夜祭臨時に充当されることになります。

東吾野で新2000系同士の交換、右は2069F
2079Fと10000系延長むさしの交換
3011F(999ラッピング)による上り所沢行き

東吾野で行き交う電車たちも、やはり4ドアの印象が強い記録内容でした。
むさし号を停車させて2079Fが交換を行う様子は、普段では見ることの出来ない夜祭の臨時ダイヤならではの光景です。

2012/12/3の西武線臨時電車 【2012年の秩父夜祭臨時電車】

2063Fは夜祭臨時への充当率が異様に高い
吾野1番へ逆進入する10111F
吾野行きと所沢行き、珍行き先の4000系が東吾野で並ぶ

本線系統の3ドア車(新101系・301系)は2012年11月30日をもって運用を終了しました。
このため、この年からは3ドアが入線しなくなります。

最後の3ドアである3000系は、まだ健在の頃でしたが、少なくとも当日の記録の中に3000系の姿はありませんでした。

  • 回生電力貯蔵装置の稼働から丸5年。
    ついに、夜祭臨時電車の運用から3ドアが消滅しました。


2013/12/3の西武線臨時電車 【2013年の秩父夜祭臨時電車】

4021F 4011F 2079F
10111F 10110F
38109F 池袋発西武秩父行き

この年はお昼に新2000系の送り込み回送がありました。
明るい時間帯の吾野3並びとなりますが、これも立派な夜祭臨時ダイヤの記録です。

同様に10000系NRAの回送電車も運転されており、吾野駅で交換する様子も見られました。
2013年は東横線と直通を開始した年でもあり、ダイヤの組み方が今まで以上に複雑だった印象もあります。

  • 池袋から西武秩父行きの各駅停車も運転されており、充当は38109Fでした。


2020年の秩父夜祭と、西武線の臨時電車について

新型コロナウイルスの影響により、2020年の秩父夜祭は規模を縮小して実施する運びとなりました。



これに伴い、西武線の臨時電車増発も行われません。
特急電車を含めて、全て通常通りの運行となります。
最終の特急は、平日ダイヤに則った西武秩父21:24発ちちぶ56号池袋行きです。

2021年 西武線の秩父夜祭臨時電車はどうなる?

新型コロナウイルスの感染状況に大きく左右されることになるでしょう。
秩父夜祭自体が、引き続き規模を縮小しての開催であれば、2020年と同様に臨時電車の増発を行わない可能性があります。

2021年春のダイヤ改正で、西武鉄道は終電を繰り上げ予定



[西武公式PDF]2021年春 ダイヤ改正を実施します

2021年春のダイヤ改正で西武鉄道は下り電車の終電を20分から30分ほど繰り上げることを発表しています。
これに伴い、上り電車の終電車も自ずと早くなることが予想されます。

秩父夜祭臨時電車において運行される深夜帯の電車も、種別や行き先変更の影響が出てくるかもしれません。
所沢で接続する西武新宿線のダイヤも繰り上がることが予想され、秩父夜祭の復路のピーク時間帯も前倒しになるのではないでしょうか。

ただし、現状では2021年12月の状況を予想することは難しく、「夜祭の臨時電車も時間が繰り上がるかもしれない?」というところが大局的な見方となっています。

西武秩父線・池袋線 秩父夜祭臨時電車の様子【2005年からの振り返り】のまとめ

  • 2019年の夜祭臨時ダイヤにおける所沢止まりは3本が運転された
  • 所沢3番で折り返す電車は特急のみ、普通電車は所沢4番に着発した
  • 2007年以降の夜祭臨時ダイヤでは、3ドア主体から4ドア主体に移行していった
  • 2009年以降は4000系が活躍の幅を広げていった
  • 2012年以降は4000系と4ドア車で運用を担っている
  • 2010年には西武新宿~西武秩父の直通電車が1往復運転された
  • 2013年には全区間各停の、池袋発西武秩父行きが運転された
  • 2020年は新型コロナウイルスの影響により、秩父夜祭は規模を縮小して実施された
    ※この影響により、西武線の臨時電車増発は行われなかった

東京西北部から埼玉西南部にかけて、日本の大手私鉄としては5番目に長い路線網をもつ西武鉄道。その歩みは川越鉄道の開業から武蔵野鉄道の開業、旧西武鉄道の成立に多摩鉄道の買収合併、多摩湖をめぐる鉄道の盛衰を経るなど複雑多岐にわたる路線の変遷がありました。本書ではそれら西武の一時代を築いた名車両を池袋線・新宿線を中心にご紹介します。(2020/11/20発売)
秩父線を活性化させるため、「52席の至福」というレストラン電車を導入するだけでなく、自社の看板列車となるニューレッドアローの置き換えとして、新型特急「Laview」を導入するなど、行楽需要の取り込みを模索するようになった西武鉄道。首都圏という巨大な通勤・通学需要が見込める環境にはあるが、秩父観光や西武ドーム・西武園遊園地などへの行楽客の輸送にも取り組む西武鉄道の事例を取り上げ、今後の鉄道会社の経営の在り方を考える!!(2020/12/7発売)

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この記事を書いた人

SSK
SSK【西武線に対する趣味的理解が深まるブログをお届けします】
20年以上に渡り、西武鉄道の写真を趣味で撮影する東京生まれの埼玉県民。
西武線の撮影実績(写真在庫)は10万枚以上。
ホームページ・ブログ運営は15年以上。
子どもと電車を眺めているのが最近の専らです。詳細なプロフィールはこちら