元西武の三岐751系、武蔵丘入場から甲種までの動きを振り返ってみた

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三岐鉄道で活躍する751系電車は、2009年1月に運行を開始した三岐線の車両です。

751Fの3両1編成のみが所属しており、近鉄富田方先頭車には2つのパンタグラフを備えた「前パン編成」として運用されています。

この車両は、西武鉄道で30年ほど本線を走行していた新101系車両をリメイクしている、いわゆる中古車両であることはご存知の方も多いことでしょう。

今回の記事では、西武鉄道から三岐鉄道へ車両の譲渡にあたって運転された幾つかの回送電車や変遷を、追える範囲で紹介してまいります。

保々駅を出発する #三岐751F
保々駅を出発する三岐751F(イベント開催時に撮影)

三岐鉄道751系について

751系は、三岐鉄道三岐線(近鉄富田~西藤原)で運行される3両編成の電車です。

前面のブラックフェイスと飾り帯は西武時代のままに、濃い黄色ベースの塗装と下部にはオレンジのアクセントが設けられた三岐鉄道オリジナルのカラーで活躍しています。

細かい差異はありながら、西武時代の面影が強く残る装いとなっています。

三岐鉄道751系の編成一覧

三岐鉄道751系は2008年10月に西武鉄道から三岐鉄道へ譲渡され、2009年1月に運行を開始しました。
#三岐751F の1編成が存在します。

←近鉄富田 西藤原→
751F [クモハ751]-[モハ781]-[クハ1751]

三岐鉄道751系751F、西武時代の車番は283Fと235F

三岐鉄道の751系751Fは、西武新101系電車2両編成 #283F のクモハ283と、 4両編成 #235F のモハ236とクハ1236を元にした、3両編成の電車です。

西武283F [クモハ283]-[クモハ284]

西武235F [クハ1235]-[モハ235]-[モハ236]-[クハ1236]




三岐751F [クモハ751(クモハ283)]-[モハ781(モハ236)]-[クハ1751(クハ1236)]

西武701系譲渡の際に見られた、「クハの顔をモハへ切り継ぐ」ようなことは、751系譲渡の際には見られませんでした。

三岐鉄道751F譲渡に向けた西武線内の動きについて

2008年7月から10月にかけて、三岐751Fに係わる新101系電車(283Fと235F)の各種回送が運転されました。
この時期は30000系投入に伴って多くの新101系に廃車が発生しており、譲渡が盛んに行われていた時期でした。

2008/7/14 283F-235F廃車回送(小手指→武蔵丘)

283Fを先頭に旧笠縫信号所付近を通過する回送電車
283Fを先頭に旧笠縫信号所付近を通過する回送電車

新宿線に所属していた283Fは2両編成の新101系でしたが、前日の7月13日に、今回の車両運用に備えて南入曽から小手指まで回送されていました。
最後までAK-3を搭載していた新101系という特徴があります。

235Fは池袋線に所属していた4両編成の新101系です。
前日まで237Fとペアを組み8両編成で運用に入っていました。

7月14日の朝までに小手指車両基地で283Fと235Fの6両編成を組成し、午前の不定期回送スジで武蔵丘へ入場しました。
これが西武線内を自走した最後の姿であり、事実上の廃車回送と言えるものでした。

それぞれの車両は、三岐751Fと、伊豆箱根1301Fとして以下の通り譲渡されています。


  • クモハ283→三岐クモハ751
    クモハ284→伊豆箱根クモハ1301

  • クハ1235→伊豆箱根クハ2201
    モハ235→伊豆箱根モハ1401
    モハ236→三岐モハ781
    クハ1236→三岐クハ1751




飯能で向きを変え、235Fを先頭に武蔵丘車両検修場へ向かう回送列車
飯能で向きを変え、235Fを先頭に武蔵丘車両検修場へ向かう回送列車

235Fは秩父鉄道直通対応車として、晩年は237Fと常にペアを組んでおり、池袋方のクハ1236の白電連カバーが特徴でした。

この白電連については、秩父鉄道直通に対応した新101系電車(4連+4連)の4号車と5号車となる中間クハに存在していました。
秩父鉄道直通用に改造された新101系は仕様が異なるため、白電連カバーを持って他の新101系と区別していたのです。

新101系の秩父鉄道直通運用が消滅してからは白電連の姿を見る機会はほとんどなく、連結器の隙間からその一部を確認することが出来る程度のものでした。

白電連の連結部(左:クハ1232 右:クハ1233)
【参考】白電連の連結部(左:クハ1232 右:クハ1233)

なお、電連カバー自体のサイズも通常より一まわり大型のものとなっており、白電連とグレー電連の連結は不可となっています。
このため、秩父鉄道運用が無くなってからも多くの場合は8両固定と同等の扱いで運用に就いていました。
(連結の向きに制限が出るため、車両運用が煩雑になるのを避けたものと思われます)

白電連が本線系統の営業電車で先頭に立つ姿を見ることが出来るのは極めて限られた機会でした。
(ペアを組む片割れが入場の際などは、他の編成と組んで白電連が先頭に立ったり、狭山線で4連単独で運用につくことは稀にありました)

【補足】秩父鉄道直通対応の新101系について

秩父鉄道直通仕様の新101系は、白電連カバーの他に、車内の茶色のつり革や車内外の号車札、連結器奥に見えるATS車上子プロテクターが特徴的な見た目でした。

秩父鉄道直通運用は横瀬で編成を分割する際に行き先が分かれるため、茶色のつり革と号車表記で誤乗防止に努めていたということになります。

秩父鉄道直通対応の新101系について
誤乗防止の茶色つり革は5号車から8号車の編成に見られた
秩父鉄道直通対応の新101系について
車内外の号車表記
秩父鉄道直通対応の新101系について
先頭車床下のプロテクター


2001年12月15日のダイヤ改正を持って、新101系の秩父鉄道直通運用は消滅しています。
先頭車に見られたプロテクターは順次撤去されましたが、白電連、茶色つり革、号車札などは現役を退くまで、その特徴を維持したままでした。


  • 秩父鉄道直通対応の新101系
    1~4号車+5~8号車

    227F-229F
    231F-233F
    235F-237F
    239F-241F(90年代に乗り入れ装備解除)

2008/8/27 237F廃車回送(小手指→武蔵丘)

235Fとペアを組んでいた237Fも、約ひと月半後に武蔵丘へ入場
235Fとペアを組んでいた237Fも、約ひと月半後に武蔵丘へ入場

長らく編成を組んでいた235Fの後を追うように、 #237F も武蔵丘車両検修場へ入場しました。

当記事で紹介している三岐751Fに元237Fの車は含まれていませんが、10月に行われる三岐行き甲種輸送の際に、237Fのうち池袋方2両であるモハ238とクハ1238を部品取り用として一緒に輸送しています。

このため、当記事でも一連の流れとして紹介します。

奥に見える2両が三岐鉄道へ渡るモハ238とクハ1238
奥に見える2両が三岐鉄道へ渡るモハ238とクハ1238
クハ1238
クハ1238



235Fでは池袋方に白電連を備えていましたが、ペアを組む237Fは白電連を飯能方に装備していることが分かります。

小手指を出発した237F、白電連はクハ1237に装備している
小手指を出発した237F、白電連はクハ1237に装備している

先述した通り、237Fの池袋方2両であるモハ238とクハ1238は三岐鉄道へ部品取り用の車両として譲渡されますが、残る飯能方2両であるクハ1237とモハ237については、伊豆箱根鉄道1302Fの修善寺方2両として活躍しています。

2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場

2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
#E34 を先頭に5両の新101系が続く
2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
同じ黄色でも西武と三岐で色味が違う
2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
手つかずに見えるたモハ238も車輪は新品に交換したように見える

7月の武蔵丘入場から概ね2か月が経過し、三岐鉄道向けの751系751Fが出場しました。
飯能方をE34号機、武蔵丘・所沢方をE31号機に挟まれて、プッシュプルの編成で小手指まで運転されました。

編成は以下の通りです。

武蔵丘・所沢← E31-クハ1238-モハ238-三岐クハ1751-三岐モハ781-三岐クモハ751-E34 →飯能

2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
飯能からは #E31 が先頭に所沢6番を目指す

飯能で向きを変えて、E31号機が先頭となった列車は終着駅である小手指を上り方面に通過して所沢6番を目指します。

どのような事情があったのか今となっては知る術もないのですが、この列車は終着駅である小手指を上り方面に通り過ぎて所沢6番で折り返しを行い、下り列車として小手指に到着して入庫します。

このような機関車けん引の甲種輸送列車は、この時に限らず「〇武蔵丘~所沢~小手指△」というダイヤがよく見られました。

2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
モハ238飯能方の転落防止幌は土台のみ残されていた

各車両の転落防止幌はそのままの状態で残されていましたが、モハ238の三岐クハ1751側の転落防止幌は土台のみが残される状態になっていました。

2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
所沢を発車して小手指を目指す甲種輸送列車

所沢で折り返した甲種輸送列車が、終着駅の小手指に向けて走り抜けます。

雨が降り始めたのかワイパーが作動しているようです。

2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
小手指車両基地に到着した甲種輸送列車

珍しく編成先頭側のパンタを下げたE31形が、小手指車両基地の入換を終えて停車しました。

このパンタの上げ方は、基地内ストップ方まで進行することが予見されたからか?と勘ぐってしまいます。
保谷工臨の架線終端標識による特徴的なパンの上げ方を思い出します。

保谷工臨のパンタの上げ方について↓

2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
多くのスタッフが甲種輸送列車に携わります
2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
所沢方のE31号機は解結して、上り方へ引き上げ
2008/9/19 三岐751F武蔵丘車両検修場出場
パンを下ろしたE34号機に三岐751F譲渡車が続く

小手指車両基地に到着後は、見慣れぬ作業服のスタッフの方々が車両の状況を確認している姿が見られました。

三岐鉄道の社員さん方と見るのが妥当ですが、詳しくないもので説明は割愛します。

解結されたE31号機は駅寄りのピット手前にパン下げ留置
解結されたE31号機は駅寄りのピット手前にパン下げ留置

9月19日に武蔵丘を出場した三岐751系でしたが、JR線に向けて発送されるのは10月7日のことでした。このため2週間強は小手指車両基地に留置されることとなります。

しかし、この751系の留置期間中である10月5日には山口県下松から新車である38104Fの甲種輸送が到着する予定であり、この日にけん引役であるE31形重連を用意する必要があります。

当時、稼働できるE31形はE33号機を除く3機となっており、三岐751FにE31号機とE34号機を連結したままだと、残りの機関車はE32号機のみになってしまいます。


このため、武蔵丘から小手指でE32号機の単機回送が運転され、小手指で解結されたE31号機と重連を組成して38104F甲種輸送に充当されることとなりました。

故に、三岐751系に連結されたE31号機は基地到着後に連結を解いていたのです。


【参考】38104F甲種に向けて、単機回送で小手指へ送り込まれるE32号機(2008/10/5)

基地ストップ方で三岐751Fと共に留置されるE34号機は身動きが取れないため(いざというときの動力源確保?)、このような車両運用になったものと推測します。

E33号機がひと足早く運用を離脱したことにより、重連単機を2組用意できないのはここまで不便なものなのかと驚いた記憶があります。
3機をフルに活用した車両運用は三重連などで見られることもありましたが、このような2つの甲種が絡む複雑な機関車運用は晩年において唯一の機会でした。

2008/10/7 三岐751F甲種輸送(小手指~所沢)

2008/10/7 三岐751F甲種輸送(小手指~所沢)
小手指を出庫した三岐行きの甲種輸送列車は、所沢で一晩を明かす

10月5日の38104F甲種輸送をE31-E32ペアで運行し、10月7日にはE31-E34ペアで三岐鉄道向けの甲種が運転されました。
10月7日夜に小手指から所沢を運転し、10月8日夕方に所沢から新秋津を運転しています。

2008/10/7 三岐751F甲種輸送(小手指~所沢)
E31号機を先頭に、甲種輸送列車は所沢で一晩を明かす

10月8日に新秋津を出発した甲種輸送は、9日23時ころに富田へ到着しています。

三岐線内は10日の日中にED重連で保々へ輸送されており、営業開始は2009年1月になってからのことでした。

以上、三岐751系751Fの西武線内回送の紹介でした。


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